うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「ロンドリア物語」感想

「黒炎に選定されし魔法使い様なので光魔法かわいいポーズが使えます!」

勢いと可愛さがあればたいていの矛盾は許される前置き。

 

 

えー、今回はひーりんまるさんところのフリーゲームロンドリア物語」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

SRPG Studio製の、FE風なシミュレーションゲーム。ロリの力で世界を救うゲー(語弊表現)です。

さっそく良かった点など。

 

 

絶対のハッピーエンドを確信できるストーリー

 

戦争が起こっている状況ですが、キャラもストーリーもとにかく前向きで明るくハッピーな展開です。シリアスなシーンに転向しても、色々ツッコミどころがあったりギャグがすかさず入ってきたり、とにかく笑いと光が常にあるライトな雰囲気でした。

 

メタギャグが遠慮なくやってきたりセリフにネット用語がじゃんじゃん出てきたりするので、そういうノリだと事前に知っておかないと戸惑いはするかも? 私は事前情報があったので、肩の力を抜いて楽しめました。

皆が楽しくどんちゃん騒ぎしてる感じ。全体的にゆるいんですよね。雑に読み流してもいいし一緒に騒いでもいい、居心地の良い気軽さを感じます。

 

余談ですが「ロリの力を食らえ!」って叫びながらロリティオン振るうのにハマってました。作品がギャグだとプレイヤー側も気楽におふざけできていいよね。

 

 

 

FEリスペクトを随所に感じる作り

 

マスに兵を配置するタイプのSRPG、というよりもうFE風といったほうが通りがいいですよね。ファイアーエムブレムへのリスペクトがかなりあちこちにみられる作品でもあります。

元ネタはFEですと言わんばかりに随所へお約束が仕込まれていて、ファンとしてにやにやしました。ペガサス三姉妹のトライアングルアタックやら、サジマジバーツやら、盗賊とシスターのペアやら。

もちろん、元のテーマやストーリーはまったくFEと異なります。ノリからしてそもそも違いますしね。分かる人はにやりとできる範疇なのがまた良かったです。

 

 

 

軽くもガチでも楽しめる難易度

 

難易度の幅が広めで、ガチプレイヤーもエンジョイプレイヤーも楽しめるのが魅力です。私はFE作品を三分の一くらいプレイしているので、初めハードにしようか悩んだんですが……。作者の言う難しいはプレイヤーにとっての無理ゲーというイメージがありましてチキンゆえにノーマルへ。でもロストの危機がほぼほぼなかったので、ハードでプレイしても良かったかもです。

ボスチクで武器の耐久力を減らした直後のマップに修理屋があったり、逃げるシーフには専用のアイコンがあったり、全体的に親切な設計だったのも嬉しかったです。マップの難易度と、プレイヤーのストレスになる部分の違いを作者様がきっちり理解されている印象。

欲を言えば修理屋周りはもうちょっとお手軽にして欲しかった気持ちもありますが……まあここはFEリスペクトもあるでしょうし、デフォシステムの兼ね合いがあるのかもですしね。

 

 

 

プレイヤーの愛着に応えてくれるイベント

 

終戦からクリアに至るまでのイベントが、すっっっごく嬉しかったんですよ!!

皆大好きじゃん泣くじゃん嬉しいじゃん。君達を育ててきて、生き残ってくれて、ほんと良かったなあって心から思える作品でした。

 

こういう、ある種キャラゲーになりがちな作品では、プレイヤーの辿ってきた経路も無限に分かれると思うんですよね。誰を育てるか、何にクラスチェンジさせるか、どこのマップでヒヤリハットが起きたか、奇跡の必殺起死回生などなど。

で、そういうドラマがあると愛着、湧いちゃうじゃないですか。それに全力で答えてくれるところが大好きでした。

条件は上級職かつ特定レベルまであげることなのかな。顔で選んで絞って育てる派なので、お気に入りの全員が報われて嬉しかったです。

 

また、会話のみのマップでキャラと絡みに行けたり、出撃前の情報収集でキャラの個性がちらりと見えたりするのも、良い育てるきっかけになりました。

なによりオリジナルグラフィックが強い! 

HPが減ると立ち絵が変わる等々、「顔で選ぶ」をやりたくなる魅力があるのもポイントです。

 

 

 

熱くイメージぴったりのBGM

 

BGM自体は素材曲のようですが、使いどころがとてもいいんですよね。王道の曲をここぞのところでしっかり選んでくれる感じ。中にはテクノっぽい変化球曲も混ぜ込んで有って、耳でも楽しめました。戦闘をアニメオンにしていたのは対決時のBGMを楽しみたかったからというのもあったり。

おまけにサウンドルームがあるのも嬉しいところ。

印象が強いのは「Emperor」ですね! 初めて聞いた時カッコよさに震えました。局長が意外で驚いたのは「skimsnow」と「glitch」。意外と合うのが興味深いです。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

明るくて元気なSRPGをプレイしたい方におススメです。

追記では自分のプレイログ的な自軍紹介など。

 

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フリーゲーム「リレガトゥーラ」感想

「紙をめくるだけで異世界に飛び発てるのですから」

トラックにぶつかりに行く必要性を問う前置き。

 

 

えー、今回はSinilintuさんとHimbeereさんところのフリーゲームリレガトゥーラ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルは乙女向け恋愛ノベル。二名の作者様が作られている、オムニバス短編作品集。作品数は計6つ(20181118現在)です。

 

まず、前置きとして。

ふりーむさんところからDLして、公式ブログにある攻略どおりに選択肢を選んだにも関わらず2作品が読めず唸っていたのですが。ふりーむでDLしたあと、さらに公式のパッチを当てないといけなかったんですね!

ふりーむの本体表記はver1.3じゃなく1.0表記にしてくれよ~と脱力しましたが……ハロウィンパッチのほうもパスワードつけて厳重にされているようですし、独自のこだわりなんでしょう。そんなわけで同じ轍を踏まないよう、これからプレイされる方はパッチを忘れず当てることをオススメ致します。

 

 

さてさて、ちょっと誤解があって第一歩に戸惑いましたが、蓋を開けてみるとかなり好みのシチュが多く、色々な作品が楽しめてかなり美味しい一作でした!

というわけで良かった点など。

 

 

 

作風の広さを感じられる合作

 

前述の通り、合同作品な本作。

説明文等を見るに絵とシナリオの交換型ではなく、あくまで各作者様が別個で一作品を最後まで手掛けているようなので、コラボというよりは一粒で二度美味しい感じ。作中の短編に相互の関係性はないので、お手軽に好きなものから読み始められます。

「主人公や雰囲気などシナリオによって違います」とあるように、舞台・テーマ・鬱orほのぼの・全てがガラッと異なる作品でした。

 

二作者様は個性がぱっきり分かれているので、どちらがどちらというのはわかりやすく、だからこその個性や面白さも感じられたように思います。キャラ紹介の描き方とかほんと違いが出てて好き。

見分けと言えばやっぱり絵柄が目に付きやすいところかと思いますが、文章の方もかなり癖がわかりやすく興味深かったです。勝手ながら判断基準としては、梅ヶ枝きな様はいわゆるシーン区切りや繋ぎの部分で熟考が始まる地の文蜜子様はそのキャラの年や属性を意識したセリフ回し、辺りが特徴的かなと感じますね~。

 

一方で、決して一芸特化ではなく多彩なのもポイント。それこそ初めはファンタジー担当と現代担当で分かれてらっしゃるのかと思っていたので、まったく別の舞台でも魅力を発揮されていて驚きでした。

違う作者様ならではの違い、同じ作者様ならではの作風の広さ、どちらも感じられるおいしい作品です。

 

 

 

ミステリアスな司書と少し不思議な世界

 

初めから短編がどんと始まるのではなく、まずはミステリアスな司書と出会うところからお話が始まります。共通ルートというよりはプロローグな感じ。

てっきりマグガフィン的な舞台装置として終わるのかと思いきや、司書さん自身にも踏み込めるイベントがあったり、こちらにちょっとした感想を投げかけてくれたりと、なかなかに出番の多い方です。彼が一番好き!というプレイヤーさんもいらっしゃる気がしますね。

特に初回の本棚では、性格診断めいたこともしてくれます。なお私は前向きで純粋とのこと。そう……かぁ!? ちょっと意外で楽しかったです。

司書さんパートもたぶんお二方で書いてますよね。よね? 違ってたら恥ずかしいな。ちょこちょこお茶目な面も見せてくれたなあと思います。

 

 

 

一筋ぞっと冷や汗の垂れる展開

 

さて、作風の広さを語った後に恐縮ですが、私は鬱展開が大好きなのでそちらに偏って話を進めます。

まず前提として、本作は一つの短編の中にバッドとハッピーの分岐が仕込まれていることがほとんどなのですが。ハッピーでもいわゆる「気づかなければ幸せ」な展開がいくつかあり、とっても嬉しかったです。好きなんですよこの手のシチュ。

バッドもこう、ブツッと終わるものからホラーちっくなものまで多種多様。その中でも、闇に誘われるような、ヤンデレ仄暗ダークメルヘン系が濃厚でとても幸せでした。

あくまで匂わせて終わるくらいの裁量なので、直接的な描写が苦手な人もご安心です。

 

 

とまあ、こんな感じで。

好みが雑食寄りの方、色んな作品をさくっと手軽にプレイしたい方などにおススメです。

 

 

追記ではネタバレ全開の各話感想。

 

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フリーゲーム「Retro Reflection」感想 

 

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フリーゲーム「影明かし」感想

「君は明かりを灯しても良いし、灯さなくても良い」

いずれにせよ君自身が強き光になるさだめな前置き。

 

 

えー、今回はFoomalさんところのフリーゲーム影明かし」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

さくさく進めて探索と爽快バトルが楽しめる、ダンジョンRPG。プレイ時間はノーマルで1時間半くらい。そこそこゲーム好きの自分だと適正レベル-3でも物足りなかったので、戦闘好きなら遠慮なくハードでチャレンジして欲しいかも。

 

というわけで良かった点など。

 

隅から隅までストレスフリー!

 

壺を一つ一つ決定キーで調べたり、開けられなかった扉をうろうろ探しに戻ったり、雑魚敵を全部倒したり――――そんな一手間を一切合切ざくっと斬り捨ててあるのが本作の一番の特徴です。

アイテムはエンターキーすらいらず体当たり取得、直後に説明文が出て内容把握もばっちり。武器防具はその場で装備ができて、スキルは3種類を除いて全てパッシブ。ワープシステムは当然ながら、開け損ねた扉もチェックできて、宝箱残数まで常に画面表示。

もうとにかく至れり尽くせりの仕様でした。

しまいにはもはやメニューを開くことすら不要とばかりに、Qキーでのクイックセーブまで搭載されてます。もちろんロードもありません。起動即ゲーム開始です。

 

いやあ、ここまで無駄をそぎ落としたゲームには初めて出会いました!

プレイヤーはひたすら戦い、宝を集め、進むだけでよいのです。おかげでかなりテンポよく、どこまでも進んでいける中毒性がありました。

 

 

 

置いてけぼりにはしない配慮

 

さくさく進めるうえで、配慮を感じたのはマップ構成と雑魚敵の配置です。

まずはマップから。中盤になると開けられる扉も増えてフリーシナリオちっくなプレイ感になるんですが、それでも何が凄いって、迷子にならないんです。迷子にならないんですよ! 行き止まりは大抵マップを一度切り替えるだけで判断できるので、長々進んで長々戻ってということは全くありませんし。そうでない分かれ道は正規ルートに繋がっているほか、4つも5つも道が繋がるような蜘蛛の巣マップは一切ありません。

 

そう、方向音痴に優しいゲームなんです!

最悪迷ってもワープ移動があります!

なんてありがたいんだ……! 私にとってフリーシナリオ苦手な要素第一位が「迷子になる」だったのでこの配慮は本当助かりました。

 

続いて雑魚敵について。

基本的に本作は雑魚敵を倒す必要は全くありません。道を塞ぐ敵さえ屠っていれば良い感じにボスは倒せます。私の場合、道具すら使いだしたのは周りがレベル35とかになりだしてからですし、お金は一切使わず気づけばクリアしていました。

レベリングは不要……それでも雑魚敵が配置してあるんです。この配慮がいいなあと思って。

つまり、バトルが苦手でもレベリングしてゴリ押しできるように作られているんですよ。雑魚敵も極論言えば無駄な要素なんですが、ここは多様なプレイヤーを受け入れるために残してあるのかなー、なんて。詰将棋ではなく楽しめるところだけ楽しめる、ライトな優しさを感じました。

 

 

 

最低限だけど達成感のあるストーリー

 

起承転結のドラマチックさはなく、ゲーム自体は終始ひたすら突き進むストイックなスタイルです。しかしながら、戦闘前のボスの前口上や締めの一言はばっちり決めてくれる、ここが実に熱かったです。

クリア後の解放感がすごく好きなんですよね! クリアしたぞっていう爽快感が味わえて、すごく気持ち良かった!

ストーリー自体は有って無きようなものなのでストーリー重視の型にはミスマッチかもしれません。が、最低限のテキストから察せられる世界観や熱さは十分に感じられるお話でした。

 

 

 

事前行動でバフデバフ丼をつくろう!

 

ラスト、一番熱い点であるバトルシステムについて。

道具とスキルの使用にターンを消費しないところがかなり新鮮でした。事前にデバフを振りまいて自分に強化をかけて、最強状態で挑む1ターン目のなんと興奮することか。

私、別ゲーでも事前行動で攻撃できるスキルにドハマリしてたんですよねえ。この手のバトルどんどん増えて欲しいなあ!

 

事前に敵の強さがわかるので適正レベルもわかりますし、格下は自動で倒される便利スキルも用意されていて、バトル面についても色々とスムーズ。厄介な雑魚の増援がスキル一つでにぎやかしになる姿はまさに爽快。連撃のエフェクトやSmash表記にもテンションがあがります。弱点属性が明確な点や、装備の付け替えにターンを消費しない点も、かなりプレイヤーに対して真っ向勝負なつくりをしているなあと思います。

次なる敵を求めてわくわくしすぎて腕をフルスイングしたくなる楽しさでした。

 

 

 

その他、クリア特典の某項目などはRPG作者様も垂涎ものなのではないかなと勝手に思ったり。

 

 

 

ともあれ、さくさく進みバトルが熱い、ストイックな一作でした!

追記ではクリアリザルトをベタ貼りしておきますね。人のリザルトが見たくなるゲームは良いゲームだ!

 

 

フリーゲーム感想記事↓

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フリーゲーム「3つ数えて落ちる恋」感想

「そう彼らは同じ手芸店で働く敏腕ぬいぐるみ師」

人形師ではなくぬいぐるみ師なところを推したい前置き。

 

 

えー、今回はTEA PA. ゲーム館 さんところのフリーゲーム3つ数えて落ちる恋」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

頭を使いながら軽く乙女ゲーも楽しめるパズルゲーム。

この手のジャンルは「マッチ3ゲーム」って言うんですね! 好きだなあと思いつつ呼び方を知らなかった……。他ゲーで言えば「ズーキーパー」「愛と勇気とかしわもち」タイプです。

 

 

 

というわけで特徴的な点など。

 

 

パズル中も応援してくれるフルボイス

 

攻略対象、もとい一緒にパズルを楽しめるキャラクターは3人。全員がボイス付きのかなり豪華な仕様になっています。3人目に解放されるキャラの話し方が好き。

顔の良いキャラを見つめつつ、良い声のボイスを聞きながら進めるパズルは不思議と捗るものですね。

さりげないところだと初期音量が半分で設定されているところもありがたかったです。初期音量MAXのゲームって初回起動持に耳が痛くなる時があるので……。あ、ただ、BGMとボイスの音量が連動している?らしく、BGMを下げるとボイスも下がる形になっていたところは気になりました。

 

 

さくっとパズルに入れる最低限のシナリオ

 

個人的に、パズルは黙々進めていきたいタイプなので、シナリオは最低限プロローグとエピローグのみという構成も肌に合いました。

あくまでお話だけを見るなら、ボタンを持っていた理由に肉付けが欲しいところかも。でも、パズルを重視していると考えれば十分、よい具合に味付け部分で留まってくれていたなーと思います。それにタイトル回収の仕方は好き。

 

 

詰み知らずの緻密なパズル

 

そして最も語りたいのがここ! このゲーム、詰まないんですよ!

いや画面いっぱいに消せるボタンが積まれてはいるんですけどそうではなくて。私、この手のパズルゲームって進行不可になってリセットが起こったりゲームオーバーになったりする印象が強かったんですよね。だから、本作は画面内に障害物が複数出てくる最終ステージにおいても一切詰まず延々とプレイし続けられるところに感動しました! すごいなあ、どうやってるんだろう。そもそもノベルゲのシステム?でパズルを組めるというのがもう凄いですよね。

 

 

ぱっと見てピンとくるデザイン

 

本作は操作説明が全てreadmeに集約されており、ゲーム中では最低限のクリア条件のみが開示されるだけとなっています。が、それでもなんとなく感覚でわかるような設計です。コイン回収の条件はちょっとだけわかりづらかったけど、そこも説明を見ればわかりますし。

消すたびに伸びていく画面下のリボンとか、コインを集めたら増えていくピン止めとか、見てわかるデザインがしっかりしているうえ、女の子らしい可愛い雰囲気があって素敵でした。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

さくっとプレイできて、乙女なときめきも欲しい、そんなパズルゲーにピンと来たなら是非。このジャンル増えて欲しいですね~。

フリーゲーム「死がふたりを分かつまで」感想

「取り零したものたちが君の轍となりますように」

つい引き返したくなる前置き。

 

 

えー、今回はVIPRPG GW祭2015のフリーゲーム死がふたりを分かつまで」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道RPGもといやるゲ、ナイ軍と冥界中心。

だいたい一時間前後くらいの短編です。バトル難易度はそこそこで、ノーマルでもやや歯ごたえありな印象でした。試行錯誤できる方なら楽かも。

 

というわけで良かった点など。

軽くシーン描写やネタバレの匂わせはするので注意。

 

 

オリジナルともしも設定がクロスするストーリー

 

プロローグからすでに旅は佳境入り、一番の盛り上がりを切り取って進んでいくような構成になっています。要はお話のテンポが良い! メインメンバー3人の関係性もすでに出来上がっており、その過程もどことなく独自設定がありそうな雰囲気です。

過去話がほぼほぼ明かされずに終わるので、何があったんだろーと気になるところもありはしますが……他作品とリンクしてるあるあるなのかな。とりあえず本作としてはだらだら二人にスポットを当てるよりナイの話として締めてくれているんだろうなー、なんて。

 

何より上手いのは、設定回収の仕方ですよ!

よく見かけるもしも設定へのつなぎ方がとても自然でした。まさにもしもの可能性世界を見せてくれた感じ。クリアして、キリのホコグラを改めて考えるとなるほどなあと思ったりね。パチパチピースが繋がっていく感覚も楽しかったです。

 

 

熱く、短く、テンポよくの戦闘前口上

 

本作で注目したいのは戦闘前口上。

街マップがない分、探索→ストーリー→ボス戦→ストーリーというパートを繰り返していく形になっているんですが、このストーリー部分の言い回しが大好きでした。3人の絆やナイの過去を見せつつ、必要十分だけ伝えてさっと切り上げるこの感じ。テンポも良いし、問答無用の潔さを感じます。

淡々としているわけじゃなくて、きっちり言い回しがドラマチックなところも大好きなんですよねぇ。熱いところは熱いんですよ、ちゃんと。トリッシュ戦のとことか、「囚われのお姫様と~」のとことか。印象的な台詞が最後にバシッとハマる感じも素敵です。

 

 

状態異常もアイテムもしっかり使うバトル

 

バトルの難易度はそこそこ歯ごたえあり。

私はぬるゲーマーなのでノーマルで進んだんですが、それでも解法がわかるまでは少し苦戦しました。ファイア強いねー。

MPが枯渇しがちなのも上手いところ。アイテムと状態異常を駆使しつつ四苦八苦しながら進むバランスです。雑魚戦でもサボったら容赦なく死にますが、ほぼノーリスクでリトライ扱いになる辺り助けられました。

テンゼンの自己強化&自己回復なスキルとかは特に、使いどころをミスって一手足りなくなる時があったりして、楽しかったなあ。

特にぐぬぬったのはトリッシュ戦です。脳筋だったので。

 

 

とまあ、こんな感じで。

テンポよく進みドラマティックに終わる、濃密な作品でした。

 

 

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shiki3.hatenablog.com

ファタモルガーナの館登場キャラクター人気投票企画関係感想

「惜しみなく愛を捧げることと、冠に固執することは別物だ」

私の中の一番を示したいだけの前置き。

 

 

えー、今回はNovectacle(ノベクタクル)さんところのフリーゲームファタモルガーナの館登場キャラクター 人気投票」「ファタモルガーナの館登場キャラクター 人気投票part2」について。ゲームというより企画ですが、小説も含め色々と書きます。

 

タイトル通り、「ファタモルガーナの館」シリーズの関連作です。

このゲームの存在自体がまあなんというか全てのネタバレという感じもあるので、以下も伏字無し、ファタモルガーナ本編およびアナザー(FD)はクリア済みの前提で記述していこうと思います。

 

つまりネタバレ注意!!!!!

投票結果のネタバレも含みます!!

 

 

 

2014投票結果の所感

 

ミニゲームをプレイする前に投票結果を見たので、そちらの所感から。

私の好きな順は、

 

白い髪の少女>ヤコポ>ジゼル>ミシェル=ネリー

 

なので、ネリーとモルガーナの位置がかなり意外でした。でもまあ、ネリーはヘイトも溜めそうな子だし、モルガーナはキーパーソンでもあるので、諸々鑑みると順当なのかも。私の中ではエラスムス世界線ならポーリーンがかなり上位に食い込みますし、セブンスコート世界線ならaidaが取って代わるので、この辺りのパラレルワールドの好感度も含めるともっと変わってくるかもしれません。

 

 

 

2014ミニノベル

 

人気キャラと共にお屋敷をめぐり、投票の雑感やコメント返し、恋の一方通行トライアングルを楽しめるミニノベル。

いやーなんというか、モルガーナ、愛されてますよねぇ。

セブンスコートプレイヤーには面白いネタもあり、やっぱりシリーズ物のフリゲは公開順にプレイしてなんぼだなあと思いました。私、セブンスコート世界線のヤコポが一番好きかもしれません。しかしファタモル本編の舞台裏といい、セブンスコートといい、ミシェルはつくづくジゼルと出会えませんね。これこそが彼の正しい扱いのような気もしてきます。応援してるぞ!出会えないけど!

 

あと、驚いたのはイメオンについて。私、セブンスコートで彼のHNを見た時、『ある夜のバーリーコーン』の彼女かなあと思ってどきどきしてたんですよ。で、違ったけどうっすら繋がりのあるネームドサブキャラとして登場していくのかなと思って。

いやあサブどころかメインキャラでしたね!

設定画含め、ファタモルファンディスク(仮)含め、まあ私は未来から遡ってきた身なのでファタモルanotherの存在を知っているわけなんですがそれでもわくわくが止まりませんでした。

 

 

 

2014人気投票SS

 

人気上位3名のショートストーリーも公開されていたので、物のついでに軽く傾向や感想も。読んだ順に書きますね。

 

 

Ⅱ. Pain

 

これはある意味、Wヒロイン話とも取れるのでは。

ジゼルが完全にジゼルの善と光の面を喪った話でもあります。女中話です。辛いですが大好きです。

ファタモル世界に掛け算記号を入れるのってちょっとためらわれる気持ちもあるのですが、うん、ともあれ、モルガーナ総受けだなあって思いました。ヤコポとモルガーナ、二人の関係性は本編で語られている通りですが……なまじヤコポが心から、心からそうしたいと思っているのがどうしようもなくモルガーナの心のささくれを毟っていく行いに繋がるんだろうなあとも感じます。八方ふさがり感がたまらなくズシンと重くて良いですよね。

 

 

Boy meets Girl

 

幼い頃から君との運命の赤い糸は繋がっていたんだ、的な展開みんな好きですよね。わかるよ。「おにいちゃん」のシーンは本当、胸が詰まる思いでした。自然にぽろっと零れた言葉こそが、ありのままの形だと信じたいですよね。

ボランシェ家次男がけっこう得をしているSSだとも思います。これを読んでさらに好きになった方も多そう。私は彼のなんだかんだで貴族な立場を全力で浪費してる甘ちゃんなところが好きなので、ちょっとツボは違いましたが、それでも微笑ましいエピソードでした。

 

 

Ⅰ. Lost

 

私が一番好きな章、ヤコポの時代の章です。

ここでも女中に注目してしまうんですが、一途に壊れて軋んでいく面とまだ残る心が強調されていて、すごくじんときました。ラストの二人の掛け合いが大好きです。

「知るべきであった女たちは二人とも~」の文といい、ぐっとくる文が多かった印象。私が好きな章だからこそというのもありそうな気はしますが……。

だって、廃墟とメイドと領主と後悔と月、という要素だけでもう絵になりますものね。

 

 

 

2015人気投票

 

本編

 

セブンスコートおよびファタモルアナザーを経て訪れた投票結果。意外なところもありましたが、上位は安定のメンバーでした。

 

ちなみに私はアナザープレイ後だと、ミシェル≧イメオン>白い髪の少女>ジゼル>ネリー≧ジェレンな感じ。アナザープレイするまで半年空いたというのもありますが、けっこう変動してますね。

それにしても今回も弄られに弄られまくってましたねぇ、某氏。ミシェルも過去は弄られキャラでしたし、歴代主人公はそういうポジションになる定めなのかもしれません。

 

意外だったのはイメオン。ファタモル本編に登場しないハンデを負ってなおこの順位というのはかなり驚きでした。カッコイイのでいれたくなる気持ちはよくよくわかりますけれどもね! 

白い髪の娘ちゃんもまた会えて嬉しかったです。特に旦那様への反応がとても可愛らしくてベネ。モルガーナと相対すると、なかなか見えづらい彼女の欠点もよく見えてくる気がして、味わい深いなあと思います。足りないところを補い合って一つに戻る印象がより強まりました。

 

結果開示のぐだぐだ話の中で気になったのは、やっぱりモルガーナについて。ヤコポへの反応はただのツンなんだろ~みたいな囃し立てをズバッと切り捨てる姿勢が好きでした。それでも希望を残してくれていることはファタモルアナザーのボーナストラックで示されている通りで、我々魂たちに余地を残しつつも譲れない主張はしっかりしていくところが好きだなーと思います。

ミシェル・ジゼル・モルガーナの関係についてもそう。ミシェルとジゼルが親でモルガーナが子みたいに疑似家族化するのはちょっと、こう、心的にためらいがあったので、友人だと明言してくれて安心しました。

余談、「そこの魂の人」って呼び方がすごい好き。距離感がいいですよね。

 

 

以下は取り上げられていなかった人気投票の魂のコメントについて所感。

 

・「オディロンの執政シュミレーション」わかりすぎて腹抱えて笑いました。絶対Civilizationにいる。

・バルニエさんの貴重な顔芸がこちら

・「三章ヤコポに車のバック駐車のポーズさせたい」みたいなあれ、発想の出どころがかなり謎ですが気持ちはすごくわかります。

・「うんうん、ネリーはかわいいわよね!」そうだね真理だね。

 

ジェレンの曲が好きなので読んでいる間にいっぱい聞けて嬉しかったです。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他の方の熱いコメントと愛を感じる、楽しい企画でした。

 

 

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同人ゲーム「ファタモルガーナの館」感想

同人ゲーム「ファタモルガーナの館アナザー」感想

フリーゲーム「セブンスコート」感想

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フリーゲーム「おやばけ!」「おやばけ!2」「キャロットケーキ人格シャッフル事件」「薔薇と椿とファタモルガーナ」感想 

フリーゲーム「千枚皮-Allerleirauh-」感想

「当然のように揺れていたので背景のように思っていた」

腐り落ちて初めて人だとわかった前置き。

 

 

えー、今回はさんところのフリーゲーム千枚皮-Allerleirauh-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

誰か刺し殺して皮を剥ぎ、誰かに成り代わっていく探索ゲー。追いかけっこはあるけれど、高難易度を選ばない限り体力は豊富なので、アクション的な難易度はゆるめ。ただし探索の難易度は激高です。

 

いつも通り良かった点を──といきたいところなのですが。

 

いやもう、想像以上に気に入ってしまって!

バグっぽいところも尖った要素もありはするんですが、難を全て無視してしまえるくらいもうすっごく大好きなんですよ!!

 

そんな状況で何を言ってもこう、新興宗教的な文言しか書けない気がするので、前座の部分は全部省くことにしました。

 

一応、ツイッターでの紹介文だけちらり。

 

こんな感じのゲームです。

攻略記事はこっち↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

あとは追記に考察解釈です。

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「シガイタチ」感想

 

 

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