「大好きなあなたの喜ぶ顔を想像するだけでうきうきしたの」
それでうっかり足元が、な前置き。
えー、今回は箱庭のイデア(栄崎)さんところのフリーゲーム「いちご☆トルテ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
大切なあの人のためにいちごを採りに行こう!
全エンドを見てクレジットまで見てだいたい30分くらいのADV。探索ゲーって言ったらいいのかな? 1プレイがさくさく進む、周回前提ものです。
なお、注意点として。
ふりーむのDLページやゲーム開始画面などはとてもかわいらしい雰囲気。
ですが……?
これで察しの良い方はわかって頂けることでしょう。
ぼかして書くのが難しいので、一応ネタバレ注意。
核心に触れる部分はさすがに追記へ仕舞うつもりですが、念のため。
というわけで、良かった点など。
選べる5人と気になる特性
サクサクプレイでかわいい! これが初見での印象です。
1プレイは数分で終わりますが、主人公は5人もいるので目飽きることはありません。
みんなそれぞれできることが違うので、同じマップを探索するのでも異なる楽しさがありました。おかげですごく広く思える。でも通しプレイをするとほどよくコンパクト。
これ面白いマジックだなーと思います。こういう、作品ボリュームを大きく見せてプレイヤーをダレさせないみたいな作成技術、ゲ製作者様は気になるポイントなんじゃないのかなー、なんて。
あえて挙げるなら、できないことが同じでも「×」がついている子といない子がいて、少し不思議に思ったかな?
でも、左から順番にプレイするのであれば紛らわしくてひっかかりそうなポイントでもあるので、納得はあります。この子はできるのになんでー、となっちゃうプレイヤーの誤解を防いでいるのかも。
何より、あのキャラ選択の画面デザインがすごくかわいいので大好きです!
デフォルメでピクセルアートなキャラグラフィック
キャラはお顔が大きめのデフォルメサイズ。グラフィックも全体的にまろやかな感じで、まさに苺と森のカントリーな雰囲気。絵柄やスクショで心惹かれた方も多いのではないかなと思います。
マップもちょうどいい大きさなんですよね~。うろつきやすい、ややこしい分岐がない、引き返しやすい、でもちょっと頭をひねる時がある、まさにゲーム性。
操作も簡単。どこで何をすればよいかが直感的にわかりやすいのも、ゲームとしてばっちりな作りでした。
コンパクトで濃厚なつくり
短編だからこそのまとまりの良さも推したい点。
コンパクトな綺麗さが好きなんです。マップもそう、エンド回収のやり方もそう、ストーリーもそう!
エンド数15という豊富さに初めは驚いたものの、このテンポの良さで納得。
色々と繋がっていくプレイ感が気持ち良かったです!
とまあ、こんな感じで。
ミニゲームに近いフリゲや、意外性のある作品が好きな方におススメです。
追記では完全ネタバレ感想。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
がっつり真相込みのネタバレ注意!
プレイ記録
キャラ選択画面の演出、大好きー!!
私はとりあえず各キャラごとにできる動作を全て試してから次に行こうとしていたので、お姉ちゃんのエンドCを踏んで「あっ……」となりました。ふふ。
ちょうどいちごを6つ集めようとしていたタイミングだったので、欲張りが痛い目を見る童話みたいな展開になったのが印象深かったです。意図せず物語を生んでしまった……。
そこからは流れるようにエンドCを全回収。
特性のあるところに行けばよい、という点もわかりやすい作りでしたね~。
そこから隠しを見た後、エンドAを見たんだったかな?
この辺りでキャラ選択画面にアルファベットが増えてることに気づきました。なるほどね……。
なので、4人のエンドAB→エンドC→最後のエンドABCと回収した状態でクリア。
今はキャラ選択画面で全員に全部のアルファベットが載っている状態です。気持ちいい~! でもプレイヤーとしてやってることは外道~!!
複数のエンド条件を満たしている場合もきっちり綺麗に競合した両方のエンディングが見れて良かったです。この辺り、最悪エラー吐くかもなと思っていたので……。
さすが作りが丁寧! 素敵!
余談ですが、いちごの使い方が全員違うところも個性があって好きです。
ゆうべに、取り寄せてみようかしら。
エンディング
エンディング自体はたくさんあるので、総括として一部分のみ。
エンドA
これねえ、おばあちゃんが「いちごには辛い思い出があるからやめて」って言えていないのが一番虚しいなあと思います。
おばあちゃんはとことん自己犠牲の方なんだなって。
いやあだって、みんなは彼女を苦しめるどころか、喜ばせるために持ってきてるわけじゃないですか。
多分、それを感じているから優しいおばあちゃんは喜ぼうとしてるんだと思うんですが、だからこそ、「気持ちは嬉しいけどごめんね」って言う勇気があればなあと思わずにはいられません。無理に喜んでもらうのが一番つらいよ~……。
でもなあ、言えないよね……。
隠しエンド
こういうメタな警告大好き!
ある意味、こう、呪いやミーム汚染に近いものがありますよね。プレイした時点でもうアウト、みたいな。
ご都合にはさせないという強い意志を感じるのもすごく好きです。
だって、なかったことになっちゃったら、おばあちゃんがこれまでの自己犠牲の愛と苦しみもなかったことにされちゃうもんね。自分の手でならともかく、第三者(プレイヤー
)にされたら、もし私なら絶対許せないだろうなと思うので……。
この辺りのシビアさは、この作者様の魅力だなあと感じます。
と、こんな感じで。
5人の中だと誰が好き?
私は元気なお姉ちゃんが好き!
プレイ終わってからも語り合って盛り上がれそうな、良ゲーでした。