「心優しい子どもたちには暖かな物語を」
醜い大人は言わずもがなな前置き。
えー、今回は、mnok.さんところのフリーゲーム「マイ・メリーバッドエンディング」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ちょっとメリバとはなんぞやとセルフ物議を起こしそうになったので補足をしておきます。巷でよく聞くメリーバッドエンド(メリバ)はどうやら、「第三者から見るとバッドだが当人達は幸せ」というものらしいです。ヤンデレ心中エンドとかヤンデレ同士の監禁エンドとか。ヤンデレばっかだ。好きだからしょうがない。
それに比べてこの作品の意図するメリバは、両者ではなくヒロインにとってのみ喜ばしい感じも含むので、共依存とかお求めの方はちょっと外れるかもしれません。ネット語の定義って難しいですねぇ。
とりあえずバッドエンド好きな自分としては問題なく、というかむしろ美味しいシチュエーションばかりでどきどきしながらプレイさせて頂きました。
さて、以下で特徴的だったところなど。ぼかしているつもりですが、
察しの良い方はネタバレ注意です。
ストーリー
おとぎ話の登場人物という発想はよくあると思うんですが、そこからの設定や世界観が新鮮でした。ここ深めたらかなりの長編もの作れるのでは…!? こういう独特の設定って創作欲が掻き立てられて楽しいです。
欲を言うなら続編や長編が欲しい気もしますがこの時点でかなりまとまりよく仕上がっている作品なのでこれはこれでおしまいの方が良い気も。
バッドエンドを目指すお話なので、エンドとしては悲惨でも心情描写は喜びにあふれています。そういう意味では明るい、かも…?
短編でありながら、おとぎ話にかかせないバッドエンドを網羅していて素晴らしかったです。
キャラクター
何よりもまずヒロインに強く感情移入できました。
やはりバッドエンドにはこだわりがなくては! 露悪になりすぎない調節も上手です。キャラデザも可愛くて、彼らの恰好がお話によって変わるという設定にもこれまたわくわくさせられました。
先に攻略したのは狼さんだったんですが、これまたなんともこう、意味深な方の可愛がりたさがあってたまらんでした。本能って良い響きですね…!
王子様はヒロインと波長があいそうで、お似合いカップル(ただし危険)な雰囲気だったと思います。ひらがな混じりの話しかたが印象的でした。癖になります。
クリアしてどっちかというと、もう本当に接戦なんですが、やっぱ王子がより好みかなーなんて。
グラフィック
とにかくクオリティが高い!メルヘン綺麗な雰囲気に惚れぼれです。
初めは王子様の目の危なさにどきっとしたのですが、彼の人となりがわかるとなるほど納得でした。
どのキャラもデザインが良くて可愛い&かっこいいです。あとがきにあった細かい裏設定を読むとさらに魅力が増しますねぇ。鍵の設定には、もう、やられました!
スチルもどきっとするものが多くて、俗に言う鬱くしい雰囲気です。お気に入りは王子が妥協するスチル……で、既プレイの方は通じるかな? あれです。気になる人は是非プレイをどうぞ。
プレイ後は是非ともアンケート結果ページを見て頂きたい……!
あとがきのボリュームを超える細かな設定や作者様の思い入れが読めてとってもお得です。残念ながら私はアンケート期間中にクリアできなかったので参加はできませんでしたが……一番のお気に入りはりんご味のエンドです。姫が淡々と内省しているあたりというか、脚本家のこだわりっぷりがたまりませんでした。
とまあ、こんな感じで。
悲恋好きバッド好きはプレイして損無し!是非ともどうぞ!
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