うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

VIPRPG6作一挙感想

「ごた混ぜの中に規則性を見出して」

こじつけが強い前置き。

 

えー、今回はVIPRPGからいくつか、感想のみをつらつら書いていきますね。普段の記事と比べて雑感メモな感じ、まだVIPRPGはそんなに触れていないので、暗黙のお約束に突っ込んでたら申し訳ないです。

ラインナップは以下の通り、さくさくと。

 

 

 

『白昼夢チルドレン』(RPG

夢の世界冒険RPG。独自の戦闘画面がかわいい。

[ストーリー]

鬱展開を経つつも前向きに終わるストーリー。夢や仮想現実の話は、「都合の良い世界を見続けるなんて間違ってる!現実見ろよ!」で結論付けられるパターンが多いけど、これは夢も現実の中にあるって感じで、一方的に否定していないのが良かった。

[戦闘]

見てて楽しい。ひたすらウェポンを使ってたけどラスボスでようやくガードが一番使えることに気づいた。ミミ子もうちょい働いてくれぇ、と思いつつも憎めないんだよなあ。

[探索]

ダンジョンの分かれ道がわかりやすくて、宝箱のためにいちいち長い道を戻って~みたいなことをせずに済むのですごく有難い。細かくアイテムが設置されているのも助かる。逆にドリムを全然使わなかったけど。

[その他]

めっちゃエラー吐かれると思ったらこっちで用意した.exeのバージョンが古かっただけだった。

教室の夢の演出が超好き。怖い。日常がちょっとずつ歪んでいくぞくぞく感やばい。サイレンスどうやるのかなーと思ったら意外な演出だった。あれはあれで面白い。

知ってるBGM多かったけど選曲がわりと謎。

鳥の声で目覚める演出が最高だった。

 

 

 

『もしも短調なゲームだったら』(ADV)

もしもシリーズ、を短調ついでにギャグ鬱にしたゲー。

[感想]

デフォルトのOP曲にうんうんと頷き、かけたところでガクッと倒れた。今さらだが私の初めてのもしもシリーズがこれで良かったのだろうか。

冒頭の鎧二つどっちもコメントが違ってたり、女連れとそうじゃない時とで宿の台詞が変わったりしてて、出オチで済まさない凝りっぷりも素敵。グサっとくる台詞とメタギャグとが噛み合っててもう笑うしかねぇ。

最後に必ずといって良いほど入る毒々しい一言の切れ味が素晴らしかった。

10分もあれば一通り回れるので気になったらやってほしい。

 

 

 

リナックス×メビウス』(RPG

無色の世界に飛ばされた二人が色を取り戻すために戦うRPG

[ストーリー]

斬新な設定と、VIPネタで色付けしたハイテンションさと、王道の起承転結がすごく面白い。先の読める展開もあったけど、だからといって良さを損なうことはなく、むしろ期待通りの前向きな方向に話が進んでくれる安心感があった。やっぱ勇者はこうでなくちゃね!

メビウスはタイトル画面から男の子だと思ってて、初登場シーンで女の子かなって思ったんだけど一人称俺だったからやっぱり男の子だなって思って、メニュー確認したら女の子だった。つまり女の子二人旅だ。百合だ。かわいかった。

ダーエロの欲望内容が具体的にえろい。

 

[戦闘]

毎回の戦闘ごとにHPが全回復するシステム。そのぶん、魔法にけっこうウェイトがかかってる。

自分でカスタムして魔法を覚えさせられるのは楽しかったけど、ちょっとした装備入れ替えでバーストした時にセットし直すのが面倒だったかな。初めの数ポイントを光に振ってたから、装備で補える分わりと無駄になっちゃったのもさみしい。けど、不都合を感じたのは本当にここくらい。システム面詳しくは後述。

ボスの難易度はけっこう高め。魔法のセットとか防御のタイミングとか舐めてると死ぬ。大抵一回は死んだ。けど、状態異常とかしっかり使うの好きな人は楽勝だと思う。道中にヒントもあるし。敵がクトゥルーしてたのは作者の趣味かね。

 

[探索]

とにかくマップ作りが最高。

無駄な行き止まりがほとんどなくて、謎解きも素直に従えば楽に進める。物語中盤の、普通ならだれてきそうなところでアクション要素が入るのも素晴らしい。ラストダンジョンの発想はもう拍手喝采もの。色を取り戻した後に開く宝箱も、サブイベントシステムと噛み合っててすごく良い。リゲインカラーの感動はやっぱあのマップあってこそだよなあと思う。それに加えて、キューブや素材などの収集要素があるのも楽しい。

信頼ポイント、後半余りまくってこれどうすんだと思ってたらきちんと使い道ができた。素晴らしすぎか。

 

[その他]

ザコ敵ぶっ飛ばし、アクションで心折れた人用の救済措置、ダンジョン一瞬脱出、テレポーター、あらすじ確認アイテム、アイテム素材箱、詰み防止の7時、ラスボス前のイベント終了後にいったん区切りをつけてくれる、などなど。挙げだすときりがなくなるくらい、めちゃくちゃプレイヤーに優しいシステムが多い。あらゆるプレイ上のストレスを全て省いてくれたと言っても過言じゃない。ありがたい。

エンドロールの3人組の動きに不覚にも笑った。あとスライムの名前凄いな! 色んな意味で感動した。

 

 

 

 

『ひだまりピクロス』(パズル)

その名の通り、ピクロス(お絵かきロジック)に特化したパズル。RPGツクールだけどパズル。

[ストーリー]

一切無し。黙々とピクロスに集中できる。一通りクリアすると褒めてくれたり嘲笑されたりする。ひだまりスケッチ知らなくても全然問題ない。

[システム]

とにかく膨大な問題数、なんと300超え。クリアまで50時間くらい余裕で飛ぶ。中断セーブができるほうもあるので、暇を見つけてちょこちょこできるのが良い。絵は色々だけど、アニメ系中心で、少なくとも過激なエログロとかブラクラみたいなものは無いのでご安心。shiftを押すと元絵の解説が出るのもひそかに楽しい。

キーのすべりやBGMなどを細かく調整できて大変助かる。ストレスフリーと言っても過言じゃない。プレイ中のアイコンが変えれるのも嬉しい。私は撫子派。

[その他]

パズルゲー好きな方、黙々真摯に楽しみたい方、ピクロスに興味ある方はやって損無し。

 

 

 

 

 

『クッキーのクッキー☆』(パズル)

ヨッシーのクッキーパロディで対戦型パズルゲームRPGツクールだけどパズル。

 

[ストーリー]

東方キャラクターの三次創作で、元の二次創作のネタを知らないと東方だけ知っててもよくわからない展開になることがしばしば。ただ、VIP独特のノリだらけなのであんまり検索はオススメしない。ストーリー良く分からなくても全然支障はない。基本的にぷよぷよ地獄前の漫才みたいな感じ。

 

[グラフィック他]

ロックマンな画面に不覚にも吹いた。

元の二次創作から取ってきているらしくボイスあり、画像も可愛いのが多い。スキルを使うと入るカットインもかっこいい。効果音のせいかミスティアうどんが忘れられなくなってしまった。

カットイン中も操作はできるのでやろうと思えばスキル発動中にクッキーを消すこともできる。画面が暗闇状態になってもクッキーの配置さえ覚えていれば対処可能。パズルもので強制フリーズタイプの技は嫌いだけど、このゲームはやろうと思えばずっと操作し続けられるので嬉しかった。

各スキルのバナー画像が可愛かった。

 

[システム]

クッキーを消すことでスキルが発動、というのがまず面白い。

スキルを意識してない時はガンガンやられてこれ無理ゲーじゃねってなったけど、回復スキルを一番上にしたらわりと安定して勝てるようになった。要はスキル大事。イワナばっかりだとやられる。バフデバフを甘く見ても死ぬ。

王塔を昇る、というサバイバルモードに近いものもある。セーブ回数限られてるの勘弁してくれーと思いかけたが、終盤になると白玉も黒玉もめっちゃ余ったのでただ私が貧乏症なだけだった。

ちなみに最上階だけまだクリアできていない。唐揚げつらい。

 

[その他]

なんだかんだと熱中してしまった良い対戦ゲーム。一時期は目をつぶるとクッキー詰められたあの正方形が出てきてたくらいだった。

というかツクールでこれをやろうってのに脱帽。

ヨッシーのクッキー好きで独特なノリが好きまたはスルーできるなら是非是非。

 

 

『いただきます』(ノベル)

電波ゲー祭りの名に恥じぬ電波ノベル。考えるな感じろ、いややっぱり考えろ、な感じのゲーム。

[ストーリー]

話がちっとも通じない、と見せかけて、終盤になると意味のわからない会話達の意味がわかるようになるのがすごい。なんでこんなタイトルなのか、という疑問も最後まで進めれば見事に繋がってくる。最高。

シチューぐーるぐーる。

[システム]

お話の中で電波を受信して、選択肢の代わりに手に入れた電波を使って会話する。斬新。取り上げる電波のチョイスがまた妙に断片的だったり詩的だったり機能的だったりしてて絶妙。

短い章が積み重なってできていて、分岐する章が一目でわかる。難易度は低めだし、エンド回収もすぐできると思う。一つの章が短めなのもプレイしやすくて良い。キャラクターの独特の論理とか口調がツボで、ついつい決まった章を繰り返してプレイしてしまうことも。

[その他]

4章で、語句解説や色が無いことに引っかかってたんだけど、やっぱりあの章は病気で倒れていた間の夢ってことかね。あの演出は正直そこらのホラーよりぞっとしました。

 

 

 

以上。

夏の陣やらウディコンやらで今年の夏も短くなりそうです。

フリーゲーム「人工女神」感想

「罪悪感をスパイスにそれぞれ舐め合い盛り上げて」

最終的に指先で倒れちゃう前置き。

 

 

 

えー、今回はSUGAR STARさんところのフリーゲーム人工女神」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

キャラエンドありの悪魔召喚シュミレーションゲー。コレクションアイテムも多めなのでプレイ時間は人によってかなり変わるんじゃないかなー、なんて。

 

この作品はこの作者様の他フリゲに大きく絡む、シリーズ第一作といっても過言ではないものです。しかしながら運要素も強く、ぶっちゃけると一度は詰んで投げてしまっていました。

 

それでも! 今まで何度もブログで取り上げさせて頂いたように、こちらの作者様のイラストもちょっと闇なシナリオもほんっとう常々大好きでして。どうしても諦めきれず、この度もう一度やり直してみたところ、無事に全エンドを見ることができました!やったー!

 

というわけで喜び勇んで堂々と感想文を書くことができます。ふふふ。

 

では前置きが長くなりましたが、魅力的な点など。

 

 

 

 

○○向けの垣根を越えたシナリオ

まず、一番に目がいくのはゲーム中でパートナー代わりとしてほとんどの時間を一緒に過ごすキャラ・羽林でしょう。タイトル画面を見れば分かる通りサキュバス的な魅力のある女性です。他にもたくさんの顔グラありな可愛い女の子悪魔がいて、ハーレムエンドもあり。ここだけ見れば男性向け一直線と言いたいところです。

 

ところが、この表面に反してエンディングは半分以上がBLものです。マルチエンディングで一応女性とのエンドもありはしますが、それらはほぼノーマルエンド扱いです。デフォルメ可愛い雰囲気や箱庭世界のおままごと風なシステムも女性に好まれそうなイメージがありました。

 

というわけで何向けとも言い難いところ。あえて言うなら雑食向けかなー、なんて。

ゲーム中何よりの刺激とご褒美になるであろう“交魔”が全てを表してくれているような気もしますね。エロゲっぽい雰囲気で男女無性関係なく皆といかがわしいことをする――これがモチベになりそうならきっとプレイして損はないはずです。

 

 

キャラの魅力が深まる交魔

せっかくなので交魔についてもう少し。数行ではありますが、つい身体が熱くなる台詞回しやギリギリアウト?なスチルなど、小粒でよくキくイベントです。ゲーム中盤にならないとできないのもまた、中だるみを抑えるのに向いていてグッド。

登場時と交魔後で印象がガラっと変わるキャラもいて、するのとしないのとでは魅力が出違いです。

たった数行で的確に萌えどころをついてくれる辺りは「レグルスの箱庭」の頃からおなじみの魅力ですねぇ。今回は顔グラありのキャラに会うため手間暇をかけるぶん、喜びもひとしおでした。

 

 

 

かわいいデフォルメキャラと楽しい模様替え

 

このゲームの虜にさせられた一番の理由はやっぱりここ。グラフィック面です。

操作が始まってまず姿を見せるデフォルメの羽林ちゃんにときめいた方は絶対多いはず! 召喚で現れる悪魔達もデフォルメされている子が多いので、悪魔図鑑を埋めるのが捗りました。

また、羽林はなんと衣装替えもできちゃいます。彼女の忠実っぷりを考えると意外と貞淑な衣装の方が似合うのかも……?

主人公も同様、特に彼は私が好きな片目隠しのキャラなのでなおさら見た目いじりが楽しかったです。

キャラの立ち絵だけじゃなく部屋の中も模様替えができます。拠点が一か所なのに身飽きることが無かったのはこのおかげ。周回ごとに色合いを変えてみるのもわかりやすくて良いかもです。帰ってきてふと見るとぬいぐるみが増えていた時は驚きましたw 

 

 

 

 

一方、ちょっと不便なところも確かにあります。

 

 

 

運任せのストーリー進行フラグ

次ステージの出現が運任せだったり、ランダム決定される天気が特定の時でないとイベントが起こらなかったりと、ストーリー進行のため必須な要素に運が絡むことがたいへん多いです。なので、プレイするなら覚悟のうえで、あるいは完璧クリアを目指さず摘まみ食いするくらいの気持ちでやるのが良いかもしれません。

一応すんなり進めば170日辺りでエンディングへと向かうこともできるのですが、初回プレイのときはなんと500日超えても洞窟の次の場所へ向かう道が出て来ず、このせいでしばらく投げてしまっていました……。とはいえ、エンド回収で5周ほどした中ではどれも170~200日辺りで問題なくエンドへ進めていたので、初回のケースがよっぽどレアだったんだろうとは思いますw

 

 

 

無駄が出てしまう召喚アイテムとステータス

雨の日にやることが少なく、どうしても知力が上がり続けることになります。50あれば十分なのに周回していると200超えることもしばしば。一方で防御力はほぼ死にステータス、真っ先に攻撃力を上げないと序盤はまともに進むことも難しいというバランスです。

また、1つのアイテムに対応する悪魔は1種類だけなので、どれだけレアなアイテムでもダブリはぶっちゃけ不必要です。棚の肥やしです。

 

というわけで、ステータス・アイテムの点はどうしても作業ゲーといわざるを得ませんでした。レアの確率がものすごーく低いようなので、コンプはそれこそよっぽど時間に余裕のある人でないと難しいんじゃないかなと思います……。

 

 

とまあ、こんな感じで。

魔術師、悪魔、闇堕ち、贖罪などのキーワードにピンと来る方向け。作業ゲー感や雑食向け嗜好など人を選ぶところもありますが、鬱エピソードや可愛いキャラグラも含め、やっぱり自分は好きな一作でした。

 

 

 

追記ではネタバレ込みの一言感想など。

 

 

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フリーゲーム「さびてつなおんど-rotation--cortar-」感想

「君は誰でもないただ一人の君だ!」

その二人称こそ不特定多数な前置き。

 

 

えー、今回はthe farthest restaurantさんところのフリーゲームさびてつなおんど」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

前編が「-rotation-」、後半が「-cortar-」として二作品に分かれていますが、実際のところ合わせて1つの物語です。うっかり片方だけDLしたりプレイ順を間違えたりしないようご注意ください。

 

どうも元はなろう小説で連載されていたものらしく、習作込みのリメイクとしてこちらのフリゲ版が作られたとのこと。お急ぎの方は小説版をお試しで読むのも良いかと思いますが、やっぱりBGM・イラスト込みでかなり表現力豊かなので、個人的にはフリゲ版を強く推したいところです!

 

と、前置きはこの辺りにして、魅力的な点など。

ぼかしてはいるつもりですが、うっすらとネタバレ注意です。

 

 

 

メルヘンな立ち絵と絵本のような演出

まず目を引くのはやはりあの独特な立ち絵。デフォルメ調の中にセンスのあるキャラデザが凝縮されています。それこそ設定資料集が見たいくらい……と思っていたら通販されているらしく、これまた驚きです。

キャラグラだけでなく、背景やモノローグなどもどこかノスタルジックな雰囲気でとっても好みでした。途中から始まる遊園地巡りの流れはまさに絵本のような雰囲気です。アラーニャの館のくだりは文章力も含め、まるであの場に居るかのような描写力でした。

BGMの選曲も良いんですよねぇ。幻想的な曲が多くって、夢見心地な気分に浸れます。メインテーマでいいのかな、エミリオが出てくるところでよく使われている曲が特にもの悲しくて、話の雰囲気にぴったりでした。

 

 

 

しっかり濃い味のSF設定

メルヘンなグラフィックとは裏腹に、世界観や設定の土台はかなりしっかりとしていて読み応えがあります。退廃した世界、延命措置、なり代わり、などなどにピンと来る方はプレイして損無しかと。

面白かったのはやっぱり立体刺繍の設定ですねぇ。王様の寝所のところでは私もテオドールと同じくついそわそわしてしまいました。けっこう俗っぽかったりえげつなかったりなところも踏まえつつさらっと説明として流す辺りもクール。

特に後編のcortarからは次々明かされる真実に衝撃を受けてばかりで、読む手が止まりませんでした。いや、本当、こういうなんていうかアイデンティティ問われる系の話大好きなんですよ……! それぞれの終わり方もまたビターでとっても好みでした。

 

 

 

象徴的で印象に残る言い回し

そもそもこのタイトルからして謎めく響きで、興味を引かれたのですが。蓋を開けてみるとタイトルだけでなくあちこちにモチーフを有効活用した表現があって、意味がわかった途端ぞくぞくしました。

やっぱり印象深かったのはあの6つのティーカップ。クリア後に公式サイトのおまけを見て息を飲みました。あと、エンドロールの一枚目のスチルも、見た瞬間涙が出そうになりましたね……。一度見たスチルでも色々わかった後だとかなり見方が変わるもので。あれを初めに出してくる辺り、本当、やられたー!って感じです。最高でした。

 

 

一方で惜しいなと感じた点もありまして、

 

シーン切り替えがややわかりづらい 

中盤で回想シーンなどが入り始めてからシーン切り替えのポイントと時系列が少しわかりづらく、ついて行き切れなかったところがありました。

とはいえ後編のcortarでは区切りにアイキャッチ代わりの地図が入るのでわかりやすくなりますし、何よりこの構成のおかげで話の進展部分と説明部分のバランスが取れているのかなー、なんて。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

廃墟、遊園地、謎のピースが嵌っていくような展開、代用品辺りがキーワードかな。

なんとなく終わりを感じさせる雰囲気が好きな人向け。

とにかく世界観がとても濃厚でとっぷりのめり込めれる一作でした!

フリーゲーム「SALAMANDER」感想

「燃やしつくして果ててしまって」

穏やかには愛し合えない前置き。

 

 

 

えー、今回は冬のいもうとさんところのフリーゲームSALAMANDER」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

人型人外バトルがメインの全年齢BLノベル。ヤンデレいます。やったね。

というわけでさっそく魅力的な点についてあげていきましょう。

 

 

 

圧倒的な筆力!

何よりもまずここです。

日常学園パートは軽快な文体で、シリアスパートは勢いよく時に重厚に。少年漫画的なバトルシーンも光景が目に浮かぶようで、実に燃え上がりました。また、(主にお兄ちゃんのせいで)下ネタトークが飛び交うところも見逃せません。

この台詞はこの人にしか書けまい、と思わされるようなオンリーワンの台詞回しも多くあり、読んでて脳汁出そうでした。うへへ。

 

 

 

ポリシーを持ったぶっ飛び戦闘狂

同作者様の他作でも感じたことですが、メインキャラからサブキャラの末端まで、誰もが個性を光らせているのも魅力の一つです。

展開は少年漫画バトルに近いので、敵キャラがわんさか出てくるわけですが……一途な女装ヤンデレ、武士道仮面、相性抜群SMコンビなどなど、とても忘れられないキャラばかりです。特に蛇蜂はお好きな人多そうだなあという印象。

中でも私はレニエさんが大好きなんですよ!敬語で話せるチンピラ!素晴らしすぎますか!

 

メインの攻略対象のみならず、あらゆるキャラがドラマを奏で、噛み合い、最後に向けて熱く盛り上げてくれる様が素敵でした。

 

 

 

ルートに入った後も深く絡み続ける攻略対象達

 

一応各キャラごとにグッドエンドとバッドエンドがありはするのですが、個人的には、誰かのグッドエンドが他キャラのバッドエンドにもなっているような印象を受けました。

それが悪いという訳じゃなくてむしろ、とても好みでして。他ルートでもしっかりと攻略対象が絡み、主人公への想いを忘れず病んだり飛んだり身をひいたりする面まで書ききってくれるのは貴重だなあと思いました。

円満解決と言い難いエンドも多いですが、そのぶん、ほろ苦い切なさとそれでも愛を選ぶ熱さを味わえるかと思います。全体的にキャラ達も男らしくふっきれてくれているので、読後感は爽やかですしね!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

ヤンデレあり、執着あり、それでもどこか潔い印象の一作でした。厨二バトルが好き、人外萌え、ヤンデレ万歳、そんなあなたにオススメします。

ネタバレ込みの各ルート感想は追記にて。

 

 

 

 

 

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フリーゲーム「アルテール・エゴ」感想

「知ってる会話を何度でも」

周回プレイでもNPCに話しかける派な前置き。

 

 

 

えー、今回は冬のいもうとさんところのフリーゲームアルテール・エゴ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道の戦国バイオレンスノベル。BLと感じる要素が多めです。紹介ページの注意書きには無いのでこれを書くのも過剰かとも思うのですが、同作者様の他ゲーはBLですしね。

というわけで、良かったと思う点など上げていきますね。

 

 

 

ロミジュリ境遇ながらも熱い絆

 

対立し不可侵を約束とする二部族、キとフセガミ。それぞれのトップを中心として話が進んでいきます。境遇だけ見るといわゆるロミオとジュリエット。しかしながら本作のポイントは二人ともが信念を持つ強者だからこそできる熱い絆です。

兄弟の誓いを立て、時にすれ違い時に刃を交わす――お互い唯一無二の関係性はやはり萌え・燃えざるを得ません。

男→男な展開もわりとありますしが、恋愛が極端に重視されているわけではなくて、やっぱりメインは人間ドラマだなあとも思うのです。

中にはどっろどろの執着や割り切った身体の関係などのきわどい展開があり、ヤンデレ好きかつ鬱展開好きな自分にはたいへん楽しめました。

 

 

主役も脇役も輝くワンシーン

 

両陣営の視点で進む分、かなりたくさんのキャラが登場します。そんな中で凄いのはメインキャラだけでなくサブキャラにまできっちりスポットライトが当たること。ほぼ全員に立ち絵があるのも合わせてどのシーンにも見どころいっぱいな一作でした。

サブキャラの中だと鬼火が大好きです。三人官女戦は実にテンションが上がりましたね! ほんのりリョナ感あるのがこう、ぐっと。

 

 

二部族の文化の違いやバトルシーン

 

キャラや熱い想いに目が行きがちですが、キとフセガミの特色の違いが単に情景描写として出てくるだけでなく、戦法にまで関係してくるのが興味深かったです。戦国ノベルを謳っているだけあって、バトルシーンの盛り上がりもかなりのものでした。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

和風な世界観やシリアス展開、憎み合いと絆などにピンと来る方へオススメの長編ノベルでした。

 

 

同作者様のほかフリーゲーム感想記事↓

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フリーゲーム「もしも死ねぇ」感想

「模様変えの匠によるポルターガイスト

物が無くなりやすそうな前置き。

 

 

えー、今回はtachiさんところのフリーゲームもしも死ねぇ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ツクール製の短編ホラーゲーム、脅かし多めで追いかけっこは無し。ちょっとしたギャグネタもあり、ライトにホラーを楽しみたい人向けかなと思います。

というわけでさっそく特徴など。

 

 

 

即死系の周回プレイ必須

初プレイで「えっ?」となるのがお約束、と言ってもいいくらい、唐突にエンドへ辿りつきます。それもそのはず、このゲームは周回プレイが大前提。その証拠にエンド数も多めです。

よくわからないなりに色んなエンドに辿りついていくと、主人公の背景事情がおのずとわかっていきます。とりあえず色々やってみる、試行錯誤が大事なゲームという印象でした。

序盤は1プレイに5分もかからないので、かなり気軽にプレイできるのも魅力の一つですね。普段即死系は苦手なんですが、このゲームにおいてはむしろそこが利点となっているように思います。

 

 

 

気付く怖さとやってくる怖さ 

プレイを重ねるごとに変わる起動画面、部屋の内装。周回するたびにまるで間違い探しのようにじわっとおかしなことが起こります。

一方、ガタガタと勢いよく家具が動いたり視界に何かが横切ったり、ぎょっとさせられることも。キャラの歩行速度が遅めなのもまた、「何か起こるのでは?」という気分を駆り立ててくれます。終盤はぼぅっと起動させているだけでも楽しい(怖い)かも。

自分で気付いてしまう怖さと、向こうから驚かせにくる怖さ、短いプレイ時間で二種類の恐怖を感じられました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

全体的にはホラー映画っぽい怖がらせ方を熟知しているなあという印象でした。

お話自体もわりとシンプル、ホラーにしてはトゥルーが軽薄ハッピーすぎる気もしますが、こればかりは好みかな。さくっとプレイできるので、気になった人は試しにプレイしてみてください。

 

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

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フリーゲーム「夜明けのマリアージュ」感想

「清く正しく美しくおいはぎをして去っていく」
素敵なお姫様像な前置き。

 

えー、今回はChiken A La Modeさんところのフリーゲーム夜明けのマリアージュ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ジャンルは女性向けRPG。それなりの長編ではありますが、改良版だとイージーモードもついているのでさくさく派の人も気軽に楽しめます。
かなり古くから親しまれているとのことで、90年代なノリもあり懐かしさがこみ上げました。というわけでさっそく魅力的な点など。

 

乙女の心をくすぐるストーリー

お姫様が好きな人を追って旅に出るという、王道かつ乙女の憧れな展開からストーリーが始まります。序盤や終盤はシリアスに盛り上がりますが、デレ度高めの攻略キャラやヒロインの前向きな性格もあって、基本的には和やかな雰囲気です。
ピンチの時にさっと現れてくれる攻略対象。
暗い過去、辛い現実に立ち向かう心優しきヒロイン。
予期せぬ接触にどきっとするミニイベント。
などなど、これぞという王道を見事にこなしてくれる安心感がありました。

 

RPGとしても凝ったバトルシステム

そして女性向けと侮るなかれ、RPGとしてのバトルも絶妙なバランスでした。特にボス戦はレベル上げをサボっているとあっさり死にます。
普段の戦闘が火力不足になりやすい印象でしたが、これは私の育成方法にもよるのかな。あと、合体技の強さを含めての調整だったのかも。
いやあとにかく合体技が良かったんですよ。ピンチになると出せる大技、これだけでも盛り上がるのに加えて、攻略対象との専用台詞があるのも燃えました。実際、合体技を乱発していればうまいこと切り抜けられる、気持ち良い難易度だったと思います。

また、システム面の凝り具合も見どころの一つ。
その1つ目がスキルや使用武器、魔法のカスタムですね。私は完全にヒロインを魔法特化キャラにして進めました。
2つ目はイージーモードとの切り替えです。しかも何度でもできるという親切設計。雑魚戦はさくさく、ボスでは腕を鳴らして等々。積みゲの多い身には助かりました。
さりげなく面白かったのが3つ目、モンスター図鑑です。疑似ライブラといいますか、相手の弱点等がわかるアイテムなのですが、イベント戦で使った時の反応が凝ってまして。ふと思いつきで使ってみたら「おお!」と驚かされました。負け戦イベントがわかりやすいのも親切。

といった感じで、RPGのバトル要素としても面白いところが多かったです。

 

細かいキャラクター会話とミニイベント

そして忘れちゃいけないのがキャラ萌え要素
各キャラとのマルチエンド、デートイベント、仲良くなると台詞の変わる愛の合体技等々、乙女ゲーらしいところもしっかり押さえて下さってます。物語の進行具合によって顔グラが変わったり衣装チェンジするキャラがいるのもおいしいところですね!

 

 

「夜明けのマリアージュ ~time of memory~」

 

ついでにキャラと言えば、この作品の番外編に当たる「夜明けのマリアージュ ~time of memory~」についてもちょこっと。

メインキャラの後日談に加え、ゲームモードではサブキャラまで操作できるというファン大喜びの一作です。RPGというよりはダンジョン攻略系なので、またちょっと違ったタイプの遊び方になるとは思いますが……。
キャラごとに攻略の特徴が異なるのでゲームとしても頭を捻る楽しさがありますし、意外なキャラ同士の会話が見れるおいしさもあります。
本作が気に入られたならこちらもオススメ。

 

 


とまあ、こんな感じで。
心優しき前向きヒロイン、王子様とお姫様、暗い過去を乗り越える等々、王道の乙女向けストーリーがお好きな方にぴったりの一作でした。
追記では各キャラの感想など。

 

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