うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「セカイヲトメテ」感想

「笑って欲しいなどという要求は最も非生産的で非合理ですので」

生命活動を継続してさえいてくれれば問題はない前置き。

 

 

えー、今回は大人の道楽(サイトはR18)さんところのフリーゲームセカイヲトメテ」(こちらは全年齢)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンドまで数分、全クリまで数十分ほどかかる探索脱出ゲー。

もうあちこちいたるところがぴったり好みにハマる作品でした。トゥルーエンドをクリアしてここまで満たされた気持ちになったのは久々です。

 

本作は何も言わずに語ろうとするととてもとても難しいので、一部ネタバレします。

ご了承ください。

 

 

というわけで特徴的な点など。

 

変わらない部屋と、変わる反応

 

基本的にマップは短編のボリュームにふさわしいコンパクトさ。ですが、その中にあるオブジェクトの至るところに反応ポイントが仕込まれています。

こういう、どこを探しても反応が返ってくれるタイプの脱出ゲー大好きなんですよー! 色々なところを調べなければいけない探索重視だからこそ、反応してもらえるとモチベが上がりますよね。

しかも、進めれば進めるほど、マグナの反応やちょっとした室内の変化が、がじわじわと効いていきます。同じと見せかけて全て反応が違うところ、凝っていて好きです。

薄ら寒くなってくるけど本人は渦中にいるからなんともどうにも知覚できないああいうの、本当好きです。

 

 

モノクロームに覆われた演出

 

全体的にゲーム画面はモノクロ、主人公の姿すらシルエットです。

そんな中、変わらない景色をふらついては行きつ戻りつ、ただなにか良くない方向に物事が進んでいってることは伝わってくるどことない不安感……。最高でした。

ホラーというわけではないんですよね。不安。

マグナがほぼ監禁されている状態から始まり、唯一の話し相手であるキリエは冷たい態度、せめてキリエの顔が見たい────そんなシナリオ運びも不安を膨らませてくれます。世界観とシナリオのかみ合わせがとても良い作品でした……。

 

 

トゥルーへの攻略難易度はかなり高め

 

こちらは人に寄っては難点とも言えるかもしれませんが、トゥルーエンドへの道のりはかなり複雑です。いわゆる謎解き要素は無いんですが、アイテムの取得順がやや捻ってある点や、フラグが一手で折れてしまう点から、難易度が爆上がりしている印象でした。

といっても、作者様のサイトに完全攻略を載せてくださっているので、難易度に関してはご安心です。視覚的な演出のおかげで、マグナ自身は何も気づけないけれどプレイヤーには訴えかけられている感じも、ある意味では謎解きと言えるのかもなーなんて。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ネタバレガッツリの感想は追記に仕舞いますね。

私のブログの常連さん(居たら嬉しい)ならどことなーく通じそうな、好みの作品でした。

 

同作者様の他ゲーム感想記事↓

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フリーゲーム「ロア家のネコ使い」感想

「ウィッチと呼べば悪役めいて、ソーサレスと呼べばオカルト的」

単語に付加定義が増えていく前置き。

 

 

えー、今回は猪鹿蝶さんところのフリーゲームロア家のネコ使い」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンド分岐あり、乙女向けな恋愛要素あり、攻略対象二人のファンタジー魔法学園ノベルゲー。

「ネコ使い」とある通り、ネコミミ付きの青年が使い魔として協力してくれます。従者というよりはパートナーという側面が強め。

 

というわけで良かった点など。

クリア後のおまけなどに少し触れているので、未プレイの方はご了承ください。

 

 

水彩風な絵柄とメルヘンなテクスチャ

 

リンク先のスクショを見てもらえばわかるかと思うのですが、特徴的なのがグラフィック面。キャラの髪や背景など、いたるところにきらきらした模様が入っていて、とっても幻想的な気分を味わえます。

絵柄もほわんとした色合い。水彩?でいいのかな? 滲みや溶け合うような色がとても美しい作品です。

出てくるアイテムも黒蜥蜴や月桂樹からダージリンやラベンダーまで、メルヘンもファンタジックも一通り。乙女心くすぐるファンタジー要素をぎゅっと詰め込んであって、ちょっとした描写にすぐドキドキさせられてしまう良作でした。

 

 

ちょっと危なくてどこか微笑ましいストーリー

 

パートナーは二人。従順で素直でとても使い魔らしいティグルと、厳しくもこちらの成長を喜んでくれる先生なルカです。

ストーリーは基本的にほのぼの、調合に失敗してもフォローしてもらえたり見守ってもらえたり。もふもふと甘いものに癒されるシーンもあり、和やかにお話が進みます。

一方で、試験に受かるか落ちるかというハラハラ感や、キャラの意外な一面など、色々な意味でちょっとした不安が一粒あるのも事実。総評してみれば、和みと緊張のバランスが良いストーリーでした。

主人公のイネスも等身大の良い子で、不安を抱きつつもがんばって試験を成功させようとする姿が見ていてとっても微笑ましかったです。

 

 

とっても嬉しいクリア後ページ

 

クリア後になるとおまけが解禁します。

注目したいのがWebページボタンです!

てっきり公式サイトの紹介ページに飛ぶのかと思っていたのですが、なんと特設のおまけページがあって、もう、飛び上がるほど喜びました! シンプルに見た目が綺麗で、本編の世界観がそのまま続いている1ページな感じがすっごく素敵でした。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

魔法使い、使い魔、ちょっとだけダーク、基本はほのぼの、ネコミミ人外等々にピンとくる方へおススメです。

 

詳しいネタバレ感想は追記にて。

 

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フリゲサイト「冬色と夜気」短編ノベル作品感想2

「同一になれるわけがないのに感性が誤魔化していく」

妙な親近感を得る文章が好きな前置き。

 

えー、今回は冬色と夜気さんところのフリーゲーム12作品の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

どの作品も、基本短編のノベルゲーム。詩的な言い回しと仄暗い展開が特徴的です。相互に関係している作品もしていない作品もあるので、それぞれ概要で記載していきますね。

 

短編ということもあり、多少ネタバレをしてしまいながら語っていきます。一応核心的な部分は薄く色付けしていくつもり。

未プレイの方はご了承ください。

 

 

シトリンの欠片

[概要]

百合、片想い、鬱展開。

 

[感想]

序盤は物静かな雰囲気で進みつつ、彼と主人公がぶつかったところで一気にお話が急伸していくこの流れが気持ち良かったです。

特徴的な言い回しも多かったですし、それらを通じて伝わってくる「普通ではない」二人の独自の理論がすごく、心に迫ってくるものがありました。普通代表と言わんばかりの彼女がいるからこそ、他の二人が際立つんですよねぇ。

ラストの閉じ方もすごく、大好き。閉塞して、触れるに触れられなかった彼女が、唯一彼女の解を手にして実行した開放的なエンドだと思います。衝撃度と暗さも併せて大好きです。

 

[印象に残ったシーン]

「傷すら与えない」くだりが好きでして。

なんだろうなあ、フッて相手を傷つけたり悲劇にしたり、そういうことすら煩わしくて、もうただただ視界に入らないでいてほしい感じ……。言われてみればピンとくるというか、反射的にわかる感じがするんですが、言葉にするとなんか急に憎悪が際立って見えてしまうんですよね。でも、そういう強い感情すらなくてただただ無関心なんですよ。拒絶ですらないんですよ。そういう、絶妙なニュアンスの感情を、あのシーンでしっかり感じさせてくれるところが凄かったです。

 

「月を引き寄せて」と願う場面も本当好きでした。いっそ壊れてとか消えてとかではなく、なんだか他人事のようにお前が生み出したのならお前が片付けてとばかりにふっと盛大に崩壊してほしいこの感じを、あのたった一文で。最高です。

 

あと細かいところだと、お勉強を教えているシーンで「あれをこうして~」とぼかすのではなく、しっかり英文を斜線で区切るなどなどの現実的な一問を持ってきてリアル学生感を出しているところが素敵でした。

 

[一言]

詩的な言い回しと、どろりとした片想いの平行線と無関心が際立つ一作。

 

 

 

 

リナリアの君

[概要]

学生生活、不幸比べ、あなたは知らない私の事情。舞台が『シトリンの欠片』と繋がってはいますが、単品でも読めはします。

 

[感想]

最後のオチはやや唐突感があったものの、序盤からあえて違う言い訳で離席していたことなどを思い返すと、どことなく伏線はあったのかも。

 

すごい私情になるんですが、本作をプレイした時期、私何かと「あなたは頭の出来が違うから」って言われては謙遜のテイで人を持ち上げてサボる言い訳に使われることがあって、むしゃくしゃしてたんですよね。いやいや与えられてる立場は一緒ですしあなたが努力を怠ってるだけでしょー……みたいなむしゃくしゃ。ぷんぷん。

なので、こう、作中の詩依ちゃんのセリフとかにムッとするところもあったんです。きちんと遥が努力してるシーンも入れてくれているからなおさら、なんだよ君はーって。

 

でもあとで、詩依が部活のほうで苦労してるシーンが出てきたりして。面白半分に見えた綾芽さんも実は、「あなたは違うから」で距離を置いてしまうことをなにより後悔している人なのかなあと思ったりして。こういう、改めて考えてみると知らないところで皆が皆の事情を持っている、みたいな構造が良いなあと思いました。

何か事情があったり努力があったりしても傍目じゃわからないんですよね、本当は……。

遥にああいうオチの“事情”があったように、お試しの恋愛がまだできないように。

 

たまたま話運びにシンパシーを感じる環境にあったので、何かと感情移入してしまった作品でした。

 

[一言]

誰もが止められない“羨む”気持ちを綴ったお話。

 

 

 

 

グラキエスの涙

[概要]

死体蘇生、約束・訓戒話、両片想い。

 

[感想]

お話の構成はどことなく童話じみています。

約束さえ守っていれば彼の隣にいられる、ただし正体は秘密のまま――。

この手のお話は約束が破られて終わることがほとんどですが、本作はその理由付けがとても素敵でした。ただ一途に彼を想う、キラキラした気持ちだけではなく。他でもないわたしを見て欲しいという苛烈なエゴを含めて、それでも美しく終わらせてしまう塩梅が好きです。

 

ちなみに、Glaciesはラテン語で氷とのこと。

溶けてしまう彼女と、我という女性の約束には無慈悲に冷たくも愛を志向する態度、二つが掛けてあるのかなあと勝手に受信しました。

謎の女性の存在や、肉体・魂・心(精神)という概念がちょこちょこ出てくる辺りも隠喩的ですよね。信じていれば幸福なる天へ導かれるという考えなども決定的。作中の舞台の宗教観がほんのりと察せられるのも良いつくりだなーと思います。

 

[一言]

献身とエゴがないまぜになった一途な愛を見たい方へ。

 

 

 

 

灰燼

[概要]

王室、姫と許婚と従者、復讐劇、正義とは何たるか。

 

[感想]

おてんば姫がすっかり冷えた目つきをするようになる展開、大好きです。

いわゆる前座に当たる部分もしっかり尺をとってあったのも好印象。丁寧にヴェルメアのキャラクターとツェーレの関係性、父親との緊張感を含む敬愛などを描いてくれたので、感情移入がしやすかったです。

また、一筋縄ではいかない、やりきれない結末も大好き。テーマがこれだからこその後味ですよね。どのエンドにも棘のようなものが残る、良い終わり方でした。

 

一方で、この作品は気になった点もありまして。それが終盤一騎打ちの時のテンポの悪さです。想いをぶつけ合う会話劇自体はとても良かったんですが、一言一言に動作描写が挟まって間延びする印象がありました。剣劇もスピード感がもうちょっと欲しかったかも。

でも、ルートごとに剣捌きや戦い方の鋭さが変わって、覚悟の違いが伝わってくるのは良かったです。

 

[根幹のネタバレに関する感想]

以下薄字。

 

エンドのカギを握っているうえに結末の分岐に関わってくるのは実はツェーレですよね。思わせるものを持ってて、考え出すと止まらなくなってしまう。復讐ルートでツェーレがああなるの、ものすごく絶望を感じてすごく好きです。

それで、初めはツェーレこそがシュタインの言うところの正義のモチーフとして描かれているのかなと思っていたのですが。ツェーレを追ったり、彼女の提案に従ったりするとゲームオーバーになることを考えると、むしろ逆かなと思い直しました。

ツェーレはヴァルメアが善的な人間であることの象徴であり、彼女が傍にいる限りヴェルメアは平凡で人間らしい感性を失えないままでいるみたいな……。そしてこの話は完璧な正義の皮を被るための話なので、ツェーレと共に行くことを選んだ時点で、話は終わってしまうみたいな……。そんなふうに考えました。

 

そう考えると、灰エンドに行ったときにツェーレが生き残ることが矛盾するんですが、後日談ノベル『熾灰』を読んで一人で勝手に納得したのでそういうこととして解釈していきます。タイトル画面の姫な格好と復讐劇な格好のヴェルメアも、愛された姫としてツェーレと共に生きる道か、孤独の正義を為して恋の葬式を行う道かという感じがして趣深いですね。

 

以上薄字終わり。

余談ですが、逃げ出しエンドの、不透明で終わらせる一文が好きです。

 

[一言]

深い業の流転を楽しめました。

 

 

 

冷灰

[概要]

『灰燼』の別視点過去話。王宮、憎悪と喪失、悪を愛すは悪たるか。

 

[感想]

主張がずっと変わらずにきわどい境界線で立ち続けていてくれたところがとても好きでした。相対するキャラが対岸に居続けてくれるお話は、誠実で良いなあと思います。

なんだろう、可哀想だと思わせてやろうみたいな厭らしさがないんですよね。ただこう思うからこう語っているだけみたいな冷たさを感じるような。その温度感がとても好きです。

この話を見るとうっかり、ヴェルメアの父が悪いもののように錯覚しかけるんですが、そこでもきちんと“悪”というより“正義の化け物”という概念を持ってきてくれるのが……テーマに即していて……うん、なんかすごく良いんです。言葉にならないけど!

 

ヴェルメアに求めるからにはきちんとこちらも譲歩する、というやり方も、すごく素敵でした。シームレスに口調変化した辺り、かなりの教養を感じさせてくれていいですよね……! 

過去話ということで幼いヴェルメアが登場するからこそ、彼の大人なやり口がより映えて、いやあほれぼれでした。

 

[一言]

クリア後に戻ってくる、あの画面が苦しくて好きです。

 

  

 

 

象牙の乙女』

[概要]

うす暗い霧の町、劇場、美しい自動人形とうだつのあがらない男。

 

[感想]

自分がまるでそこに立つかのように感じられる、霧煙る街の描写が好きでした。雨上がりの日の静かさとか、街中でのどことなく人混みで落ち着かない感じとか。常に煙で薄曇りっていうところも好きなんですよねぇ。古いロンドン? の雰囲気を好きな方なら合うんじゃないかなあ。

 

あと、書きたいものがついに思い浮かんだ時のあのシーン! 焦燥感と無我夢中! 私が二次創作で何かと書き書きするからなおいっそう共感でした。なりますよね自動筆記みたいな、あの、溢れていくものをしたためていく間の独特な時の流れ方。

 

そして何より、語るならあの劇中劇のシーンですよ!

キャラクターと役の境界線がぼんやりと溶けていって、なのに気持ちばかりぎゅっと物語に引きつけられていく、あの構成がもう好きですし。こちらの読む手が進んで気持ちが高まったところで、あのスポットライトのスチル! ねえ、もう、震えますって!

 

きちんと事前に一度劇のシーンを見せて、劇と本編の境界を先に認識させたうえで混ぜていく感じがより効果的ですごいなあと思いました。そういう意味だと若きウェルテル(でいいのかな)の話なども後になってみればポイントだったなあと思っていて、引用やたとえ話が実を結んでいく流れが本当に見事でした。

読んでる時は本当没頭してて、そんな構成だののことは意識から飛んでたんですけどね。てへへ。

 

象牙の彼女の、感情をうまく定義しきれていない感じというか、心があるけど心をわからないみたいな、独特の雰囲気を生み出すところも素敵でした。目力を感じる、ずずいっとこちらを見つめてくるあの立ち絵も好き。

 

[一言]

人形の心、ピグマリオン、理想の愛など好きな要素がぎゅっと詰まっていました。

 

 

 

 

『花盗人』

[概要]

和風、人間×人型人外、冬、誰かと別れるという事、傍にいるのに見えない人。

 

[感想]

この作者様は他作品をプレイしていても文体がとても静謐だなあと感じていたのですが、特に本作では冬や落ちる椿などが相乗効果で魅力倍増だったなあと思います。

名前欄が無い代わりにメッセージウィンドウの椿の色で話し手がわかるようになっているのもさりげなく素敵。

 

虚しい、の考え方も好きです。

終わりとか別れとかが強調されるこの作品、まさに終わり方が好きなんですよね。

致命的な単語で明言せず人によって解釈に幅を持たせてくれる終わり。でも、直前の会話や“長い”で連想される今までの彼女を考えると、どことなく方向性は察せられるところがすごく好きです。

彼女が何なのかを明示せず、ぼやけた概念で包んでいるところもより雰囲気が出ているなー、なんて。

見られなくなってしまった彼女の過去話を出して、最後に、見られていなかった彼女を見ていた人の話で終わるというのも……心に刺さります。

 

普段は文字表示を早めにしてさくさくオートで読む派なんですが、この作品はなんとなく、いつもよりもじっくりゆっくりと読み終えました。そんな雰囲気のお話です。

 

[一言]

切なく、沁みる話が好きな方向け。

 

 

 

 

モノクロの海を漂う人

[概要]

図書館にいる先輩と毎日文学的な会話をする短編。

 

[感想]

そっけなく気のない会話を重ねながら、ラストになってぼんやりとテーマが察せられる作品。

本好きの先輩、舞台の大半は図書室、起動画面は本の演出、目次、主人公と読者の感情移入についてなどなど、ゆったりと進みながら最後に言わんとするところを残して終わる後味にしみじみしました。彼は生きる人なので盗み見はできない……。

 

明確にこれがこうという回答が欲しいタイプの方には合わないかもしれませんが、雨の日や眠れない夜に延々と悲観的だったり哲学的だったりの思考を続けてしまう私のような人間には楽しめるかもしれません。

誰もがやってみる、遺書の練習とか、生死の定義とか、そういう思索をするための雰囲気ゲーな印象でした。

読んだことのある本の引用があるとちょっと嬉しくなりますよね。

 

[一言]

図書館にいつもいる黒髪変人の先輩、という響きでピンとくる方は多いはず。

 

 

 

ブヴァリアよ、枯れないで

[概要]

夢、現代とちょっとファンタジー、成り代わり。

 

[感想]

しんしんと積もるようにお話が進んでいたので、例の二人組が出てきてからはお話の方向がガラッと変わって驚かされました。パワフルに話を掻っ攫っていくのはやはり慧里さんの成せる技ですかね。クリア後に見られるおまけでしれっと好きな設定が書かれていてついにやっとしてしまいました。

 

色の使い分けがやっぱり印象深い作品ですよね。

特にエピローグではかなり画面が賑やか華やかで楽しかったです。ああいうカットインタイプの立ち絵の見せ方好きだなあ。

 

あと画像で言うと、病院のシーンの背景画像がすごく良いなあと思いまして。

単純に病室内を眺める視点じゃなくて、こう、お見舞いの視点なんですよ。お見舞い来てベッドの横で立ってたりパイプ椅子で座ってたりする時の目線の背景画像。これご自身で撮ってらしたのかなあ。それとも素材かなあ。どちらにせよ、お話の中身ともあわせて、すごい良い視点の画像だなと思いました。

 

[一言]

終わらない理想の世界、ほんのりと姉弟な展開が気になる方向け。

 

 

 

 

雪の果

[概要]

和風、兄と妹、成り代わり。

 

[感想]

他作品と比べると選択肢がかなり多い本作。この選択肢の数にも意図が感じられてとても素敵でした。視点が兄側で妹の心情を直接は描けない分、こういう形で伝えてくるのが上手いなー、なんて。

何かの隠し事がばれる時って、致命的なぼろが出ることよりも、小さな積み重ねが確信に変わることのほうが実は多いんですよね。で、それを創作でやるのってすごく難しいことだと思うんです。長い時間をかけて、かつ冗長にはならないよう自然に擦り込ませていかないといけないので。

それを見事にやり遂げていたのが、もう、本当すごいなあと。時を重ねていく中で、ちょっとずつ違和感が積み重なっていって、それでもそれを芹乃はそれを受け入れていく過程が伝わってきます。

 

季節の移り変わりの描写も美しくて……。

年月が重要だからこそ食べ物も肌に触れる感覚も、その時だけの季節を感じさせてくれるんですよね。変わらない温度の室内でプレイしているのに、冬の肌厳しさや、雨のけだるい感じなどが文章の端々から伝わってきました。

情景描写が一番好きな作品かもしれないなあ。

 

[一言]

和と季節と罪悪感と庇護欲。どれか気になるワードがあるようなら。

 

 

 

このまま

[概要]

百合、病室、死にまつわる思索や哲学の会話劇。

 

[感想]

この話にこのタイトルを嵌めることがもう色々と思考を広げるきっかけとなるなあと思いました。

例えば極端に単純な話、二人のうちのどちらかが心の内を告げてしまえば、あるいは行為を求めたり行ったりすれば、彼女達なりに通じ合う結末には辿りつけたんだと思うんですよね。でも、そう簡単にいかないことや、何か理由をつけないと動けないことは作中でとくとくと語られた通り。

勇気とかきっかけとかそういうのじゃなくて、なんだろうなあ。何かが足りなかったために、触れたのは首でも手でもなくあの場所だけで終わったんだろうなあと思っていまして。とにかく、動かそうとせずに停滞を望んだから、ああいう結末になったのかなー、なんて。

「このまま」って難しいですよね。現状維持は大抵の場合、静かな衰退を表している気がします。

このまま手を握っていて、と、繋げられそうなところも素敵。

 

なんだか作品自体の感想より私の解釈考察語りみたいになってしまった。とりあえずこんな感じで色々考えたくなるくらいにはセンシティブな作品だと思います。

蓮の癖が本人からしてみれば自然とそうしたくなることみたいな空気感で書かれていたのが、大げさでなくて好きでした。

 

[一言]

少し変わった女の子と、仄暗い雰囲気を噛み締めつつ思索にふけれる作品でした。

 

 

 

 

煌炎

[概要]

身分差、裏稼業、人殺し、復讐譚。

 

[感想]

お話の引きがとても好きです。

あそこでスパンと切って落ちて終わるのが、大好きです。

 

「復讐は何にもならない!」っていうのは飽きるほど語られてきた言葉だと思うんですが、それに対する反論というか、それでも復讐をせずにいられないのはなぜかというところにしっかりと踏み込んでいくお話だったように思います。

救われたい、救われない、救われたくない、のくだりがとても好きでした。似たように家族を殺される流れの『灰燼』とはまた違い、悪だという自覚は確固としてあるというスタンスもこう、すっきりします。そこの問答はもう前提で終わっている感じ。

 

キャラクターが一見真逆なのもすごく良いんですよね。下町をろくに知らない貴族のお坊ちゃんと、後ろ暗い作業も仕事もお任せあれのお姉さん。初めはまったく別々の凸凹な二人に見えていたのが、だんだんと息を合わせてきて、根っこの近しいものが見えてくるような。変質したと考えられるのかもしれませんが……。

ともあれ、軽い会話の掛け合いも、重々しい思考の発露も、どちらも身に馴染む話でした。

 

[ネタバレ込みのエンドについて]

ラストまで読み進めた一読者な私はやっぱり、エルネストの朴訥としつつも誠実な人柄とか、あるいはニュイのさっぱりとして自由に見えてしまう姿とかに、愛着があるんですよね。だから、「きっともっとどうにかなっただろうに」って思ってしまうんですよどうしても。あのエンドは大好きですし絶対に変わって欲しくない、あの話の結末として最上なんですけど、それとは別枠としてもうこの気持ちは許して欲しい。

で、エルネストにはきっともっと何かが、何かがあるはずだからどうか続いて欲しいと、何かの中身も知らないまんま言いたくなってしまうのですが。仮に本当にその何かがあったとしても、エルネストの解は決まってるんですよね。

 

ここにきてハッとしたんですよ、婚約者との会話シーンはこのためにあったんだなあって。私はエルネストの先を、何か、考えたいしあって欲しいと望んでしまうんだけど、それについての回答はもう語ってくれているんですよあの場面で。構成が本当に痺れました。あのシーンがあったからこそ、こんなにも、気持ちとしてはままならなさもあってなお納得感のあるエンドになるんだなあと……。

 

それでもやっぱり、あのままニュイと一緒に相棒としてやっていくような妄想はしてしまうんですよね。未練というかなんというか。ニュイが少しだけ漏らしてくれた、クリア後のあの文章は、そういう可能性が頭の中にあったことと有り得ないこと両方を示すのかなあと考えています。

とても丁寧に、始末をつけられた話でした。

 

[一言]

復讐、という言葉に感じる全てが込められている気がします。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

たった一つだけ好きな作品を選ぶのなら「煌炎」

 

描写の仕方が好きだったのは「雪の果」、

世界観が好きでシーンが光るのは「象牙の乙女」、

萌えやツボを感じたのは「シトリンの欠片」、

 

でした。

たくさんの美文に会えて嬉しかったです。

 

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フリーゲーム「Sky Rainシリーズ」攻略

感想ではなく攻略です。

 

というわけで今回は原産国さんところのフリーゲームSky[Rain]」「Sky[]」「Sky-Rain」に関わる攻略情報をつらつら書きますね。

 

そう、珍しく攻略記事です!

ですがSkyRainシリーズ(と勝手に呼んでいる)は完全攻略がしっかりとフォルダ内に用意されています。公式に感謝。

じゃあなんでこんな記事書こうかと思ったのか、その経緯から入っていきますね。

 

ただ伏せる前に本記事のターゲット層だけ記載しておくと、「攻略は見たいがストーリーや演出のネタバレは一切見たくない」方向けに書いているつもりです。よろしく。

 

 

以降の内容は追記に伏せます。

 

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タップ放置系SEECゲームアプリ9作品感想

「時間を無駄にするVS無味乾燥になり果てる」

どちらがどちらでも案外成立するな前置き。

 

 

えー、今回は普段とちょっと趣向を変えて、スマホでプレイできる無料アプリゲームの感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

SEEC製のアプリゲーをまとめて紹介。ノベル系は別枠で、本記事では短編のクリッカー系のアプリが多め。

 

 

 

『白雪姫と11人のイケメン』(放置・クリッカー

 

[概要]

数がインフレカンストする、クッキークリッカー系の放置ゲー。

 

[システム・難易度]

基本的に放置さえしていればクリアできます。ただ、兵力を増やす方法が複数あるので序盤は悩むかも。

鏡を磨くか、イケメンを増やすか、新たなイケメンと出会うか、既存のイケメンを強化するか。気になってこまめに起動しちゃうタイプの方は鏡から強化するのが良いでしょうし、とにかくモチベが欲しい方はイケメンと出会うのが良いかなと思います。

 

[好きなところ]

まさにタイトル通り、あらゆるイケメンが拝めるところですね!

熱血タイプから飄々ダーク、コミュ障、天然王子様まで多種多様。イロモノタイプは少ないので、奇抜なキャラこそ好きという方は物足りないかもしれませんが、これぞ王道のキャララインナップでした。

デフォルメキャラもちまちまと可愛くて、レベルアップの衣装替えもわくわくしました。それぞれタイプが分かれ、武器種が異なるのもさりげなく良ポイントです。

 

私はリラとシュヴァルツが好きです。そうです闇が深そうなキャラが好きなんです、知ってた。あ、でもストーリーで唯一笑ったのはゴルトでした。私は変化球に弱い。

あとこの手のカンストゲーは初めてだったんですが、億どころか兆にまで膨れ上がる兵力もなんだか見ていて気持ち良かったです。バグかと思うほどの桁数、勢いがあって好き。

 

[合わなかったところ]

時事ネタ系のメタギャグが多く、ストーリーもメタネタで終わるので、その手のギャグが地雷なら冷めてしまうかも。逆に、ミーハー上等の勢いあるヒロインが好きなら白雪姫のキャラはすごく合うと思います。

あと、定期的に襲いに来る魔女のタイミングについて。キャラストーリーが進行している間も魔女がやってくるので、せっかく成長させたイケメンの話が途切れちゃってもやっとすることがありました。せめてストーリーの時は止まって欲しかったかなと思います。

 

[総括]

色んなタイプの男性攻略キャラを見たい方、キャラゲーが好きな方向け。

 

 

 

 

『闇の国のアリス〜アリスインダークサイド〜』(放置・クリッカー

 

[概要]

『白雪姫~』同様、放置してインフレカンストさせるクッキークリッカー系。

 

[システム・難易度]

先にプレイした『白雪姫~』とつい比べますが、必要な兵力や進化のための総数が少々減って、よりコンパクトにプレイしやすい作りでした。このくらいのボリュームのほうが気軽に楽しめるし、ストーリーも忘れずに済むので好みですねぇ。

 

[好きなところ]

アリスのスパっと軽快なブラックジョーク!

短い会話の中にザクザク切れる不機嫌さが垣間見えて、あまりの正直さに笑ってしまいました。ダークサイド、というより、ブラックサイドかなー、なんて。博士のやや引き気味なツッコミも冴えわたります。

 

また、アリスがゲーム開始時点ですでに一度不思議の世界に来たことがあり、現実世界から出戻りしているという設定もなかなかに面白いなあと。アリスと住人たちにもう関係性ができていて、かつさらっと理解できる程度に流されるSSな会話がすごく楽しかったです。

ガクブルする双子がお気に入り。

 

白黒から色がついていく流れは見ていて楽しかったですし、ホーム画面のキャラクターは小さめなのでわちゃわちゃいっぱいの数が目立つのも良い感じ。色んなキャラが動いても目がちかちかせずに済むのも助かります。進化させれば色がつくというのも良くて、目で見てわかる楽しみが増えていきました。

最終進化が意外な形に収まるのも良ポイントですね。グロとまではいかないにせよ、こう、異形っぽいものが好きな方にはツボだと思います。

 

[総括]

ブラックな世界観で、軽快なギャグを気軽に楽しみたい方にオススメ。

 

 

 

 

『笑わない少女と異形のサーカス』(放置・クリッカー

 

[概要]

『白雪姫~』『闇の国の~』のシステムを基盤として、ストーリーもイラストもプレイ感もまったく新しく&ハイクオリティに仕上がった名作。

 

[システム・難易度]

ただのお邪魔要素だった敵キャラが廃止され、代わりに訪問という形で団員がやってくるようになりました。集めた観客がずっと溜まり続けるので、ものすごい勢いで増えていく観客数を眺めるだけでも満足感があります。

遅くて数日もあればエンディングまでたどり着けるはず。

溜まった魂をタップで与えるだけの簡単育成「シェラの花」や、一日数回手動で始められる「ビリーのナイフ投げ」など、新要素も増えました。次のお話を見たいけどお客さんがまだ集まっていない、といった時にもちょこちょこ作業を進められます。

お花を育ててランプを揺らし、気づけば新たな団員がやってきてお話が進む――というのがだいたいのゲームサイクル。まったりペースで楽しめました。

 

[好きなところ]

あのサーカスな世界観が一番好きです!

団員はみんな異形頭だったり人外だったり。これだけで好きな人も多そうですよね。人外と少女のペア、皆さん好きでしょう(過言)。一枚絵や記念絵も多くて、プチイラスト集として持ち歩くのにも良い感じ。

 

それぞれの部屋の背景もサーカスらしく奇抜でお洒落。デフォルメキャラと手描き背景と実写っぽいイラストが綺麗に組み合わさって、サーカスらしい奇天烈でごちゃごちゃした雰囲気がよく出ています。ダークなグラフィック重視の人はこのアプリ画面を眺めているだけでも十分満足できるはず。

 

ストーリーは切なく優しい感じ。

オッドマンの謎やノアの心の壁を溶かしていく過程なども丁寧で、短い話の中でうまくまとまっている印象でした。一部の物語は漫画風に進み、演出面もばっちり。

 

[惜しかったところ]

団員の来る順番がランダム(おそらく)なので、狙ったキャラが来てくれないせいで、お客さんは溜まってるのにエンドまでいけない展開になりました。集客ブーストアイテムよりも、狙った子を挨拶に呼び出せるアイテムが欲しかったです。

また、話の中心がオッドマンとノアだと理解はしているものの、終盤になると団員紹介より二人の話が主になるので、終盤に解放される団員たちがちょっと割をくっているところはもったいなかったかなと思います。

 

[総括]

静かな夜と切ない温かさが残るお話、サーカスモチーフ、人外キャラなどが好きな方向け。

 

 

 

 

ヤンデレラ』(放置)

 

[概要]

シンデレラが病んじゃったら?なメルヘンダーク。

勿論ヤンデレの単語に惹かれてインスコ。部屋に湧くネズミをタップしてレベルアップ、カンストしたらエンディングの超簡単お手軽放置ゲー。

 

[システム・難易度]

たぷたぷするだけなので難易度は超ゆるめ。

エンディングは2種類。一つエンドを見たら初めからプレイしないといけないため、時間と手間はけっこうかかるかも。私は幸い先に「いいえ」のエンドを見たため、まだ見ぬヤンデレと出会うためのモチベが残っていたけれど、逆の人はその時点でアンインスコしちゃいそうだなーという印象でした。

まあそもそも、「いいえ」エンド自体が残念でした諦めよう、な実質BADENDなのでわざわざやり直して見るほどではないかもしれません。

 

[好きなところ]

何よりもボイスがかわいい。これだけでプレイした甲斐がありました。序盤の良い子ちゃんなボイスと、ぷっつんきて病んでる時のボイスの差は必聴。しかも声色が変わるんじゃなくて、きちんと「同じキャラの豹変」だとわかる演技なのが素晴らしい。

「なんでよなんでよぉ!」(だったかな)なボイスが必死さといじらしさいっぱいでめちゃ可愛かったです。あと「アァーー!!」って叫びが本当狂いかけって感じで見事でした。

 

ヤンデレのみでなくメンヘラも混ざってきている感じ。自傷・危害タイプのヤンデレが好きな人にはきっと合います。好きを押し付けてくるんじゃなくて、基本は「信じて待ってる」態度なのがもう100満点可愛すぎます! やっぱな~私はヤンデレに健気さを入れてほしい派なのでこの不安定で壊れちゃってる感じがすごいツボでした。

 

ボイス数も多く、お着換えのバリエーションやお部屋の内装の変化なども細かいので、なんだかんだで飽きずにたぷたぷしてしまう魅力あり。見た目的には魔女っ子、ボイス的にはぐるぐる巻きが一番好き。

 

[惜しかったところ]

クリアした後でも思い出してコレクションとか見たい派なので、そのたびにエンディングを見ないといけないのがちょっと面倒だったかな。スキップボタンがあると嬉しかったです。

また、視覚面の変化はとても多かったので、BGMにも変化が欲しかったなー、なんて。

 

[総括]

暇つぶしにさくっとヤンデレ! ミニキャラかわいい育成ゲーでした。

 

 

 

 

『狂気のサイコパス育成』(学校・放置・ホラー)

 

[概要]

誰にも理解されない黒ゴス少女に黒い塊を殺させまくって色んな衣装を集めよう、なタップ中心放置ゲー。

 

[システム・難易度]

集まってきたエモノをタップするだけなので難易度はあってなきようなもの。ただ、エンド2種を見るためには初めからやり直さないといけないので、時間はけっこうかかります。

システム全体は『ヤンデレラ』と同様なんですが、こちらのほうはバッドエンドもハッピーエンドに負けぬ後味の悪さだったのでモチベは保てました。

選択肢だけちょっと引っかけっぽいかな? でも日記等から見られる彼女の気持ちはどことなく察せるので、中二病を更生させるつもりで選べばハッピーエンドだと思います。

 

[好きなところ]

レベルアップごとに見違えていく背景の変わり方です! 初めの内はアハ体験のような些細な変換なんですが、だんだんと不穏さが増し、ホラー映画もびっくりのおどろおどろしい背景へと変わっていきます。

赤が目立ち始めてからが本番ですよねぇ。ただ不穏に血しぶきをまき散らすのではなく、レベル10辺りで最後この教室がどんな背景になるのか察しがつけられる辺りが、グラフィック面のこだわりを感じて好きです。

 

また、異形たちが容赦なくおどろおどろしい外見で蠢くのも、不気味さがしっかり出ていて花丸満点。処刑方法がバリエーション豊かなのもポイント高いです。デフォルメでもしっかりホラーしてるなあという印象。

ハッピーエンド後の背景が素敵な幻想ゴシックで、いつまで見ても飽きないぐらい美しいので、気に入った方には是非見て欲しいなあと思いもします。

 

BGMが変わらなかったのも『ヤンデレラ』と共通ですが、今作の曲は陰鬱で聞き入る曲だったので、雰囲気にぴったりで延々と聞いていられました。処刑方法に合わせてSEが異なるのも丁寧さを感じました。

 

[合わなかったところ]

背景や異形へのこだわりは見える一方、ストーリー面は正直お粗末です。

まず、ハッピーエンドの重要人物の登場が唐突過ぎるのが一点。サイコパスを謳っておいてその実、理解されないはみ出し者程度にとどまってしまっていて、ファッション狂気にしか見えないのが一点。

後者はゲームタイトルがメンヘラとか、嫌われっこ育成とかって名前ならまだ許せたんですよー。サイコパスってつけちゃうのは、インパクトのある名前をつけて釣りたいって意図が丸見えで引いちゃいますし、実際期待外れで残念でした。

 

次にボイス。声自体は可愛らしいんですが、“悲哀”とついているボイスの時ですら常に変化が無く、キャラの演技をしているというよりはそれぞれのセリフを個別に読んでいるだけという感じでした。設定されてるセリフ自体もブレブレなので、これで演技しろって言うのは難しいのかもしれないんですけどね。無理解や壊れた表現としての感情薄めな喋り方じゃなくて、全然深みを感じないクールボイスだったのでもったいなかったです。

 

最後、変化形態がゴスだけじゃなくてコスプレ交じりなのも合いませんでした。とたんに陳腐になっちゃうんだよなあ。

 

[総括]

グラフィック重視で、モノクロームなホラーの世界観に興味がある人向け。

 

 

 

 

『私を魔女にしてください!』(放置)

 

[概要]

魔女狩りから逃げ出してきた少女にカエルを与え続けるゲー。

お話としては全く関わりがありませんが、上記『ヤンデレラ』と似たシステムのゲームです。

 

[システム・難易度]

やはりタップするだけのお手軽ゲー。

ただ、タップしてカエルを集める→タップして使用するという二度手間感があります。経験値倍増アイテムがあるのはありがたかったですが、初めからカエルは自動使用で良かったのではと感じますねぇ。それか1タップでまとめて使用か。

 

[好きなところ]

グラフィックは可愛いです。成長過程も、キュートな魔女っ子からおどろおどろしい魔の遣いまで、どんどん豪華になっていくのは見ていて楽しかったですねぇ。

また、アイテムにストーリーが挟まってる感じなので、好きな時に断片を読み返せる形式なのは肌に合いました。

 

[合わなかったところ]

そして膨大にあるのが合わなかった点。これを書いてる間にアンインストールすればいいじゃないって話になりそうなので、箇条書きにしますが。

・二度手間が面倒

・成長までに必要なカエルが多すぎ

・エンド分岐を回収するためには初めから3周しないといけない、役立つ引継ぎもなし

・キャラが動き回るのでせっかくのモーションがじっくり見れない

・キャラが動き回るのでアイテムが拾いづらい

・コインが拾いづらい

・2回目くらいの成長で少女が自らネタバレする

・そのうえ話に捻りが無い、鬱展開ですらない

・長すぎてボイスが早口気味のセリフがある

・ボイスが同じキャラなのに演技以上に声色を変えすぎ、様々な種類のサンプルボイスを聞いてる感じ

という感じ。

ヤンデレラ』のほうは性癖が合ったからやっていけたんですが、こちらはモチベがまったく続きませんでした。というわけで1エンド回収して以降はさくっとネタバレ見て終了。

 

[総括]

暇で暇でしょうがない人や、グラフィックが好みド真ん中なら続けられるかも。

 

 

 

 

赤ずきん ~開かずの森の物語~』(放置)

 

[概要]

『私を魔女にしてください!』と同じシステムのお手軽放置ゲー。魔女狩りなどの世界観は共通のようです。「本当は怖い童話系が好きな方~」といった紹介文が公式にはありますが、怖いというより鬱展開や切ない展開が好きな方向けかと思います。

 

[システム・難易度]

やっぱりタップだけの簡単操作。二度手間仕様なのは健在ですが、今回は多少改善されたところも見られ、ストーリーが私好みだったので前ほど苦痛を感じずちょうどよい暇つぶしとして楽しめました。

 

[好きなところ]

まずはストーリーのギミック。

周回必須のシステムを上手く生かした構成だなあと思います。手に入るアイテムもバラバラに見えて集め終わると一貫性があって、ちょっとしたSS気分で楽しめました。

あの人と育て親の出会いとか、過去の云々とか、赤ずきんの記憶の云々とか気になるところもありはするんですが、深くは突き詰めず想像できる隙間があるのも良いかなと思います。

ボイスの演技も良かったですねぇ。ちょっと後述する通り一貫性がぶれる時もありはしたのものの、セリフをただ読むだけでなくきちんと演じているのが伝わってくるボイスで素敵でした。嬉しそうなセリフの時は思わずこちらも釣られてにこにこしてしまいます。

あと忘れちゃいけないグラフィック、デフォルメ絵がすごくかわいくってたまりませんでした。チーズ赤ずきんがもふもふエモノを食べてる姿が好き。

 

[惜しかったところ]

インパクトがあるのは初めの赤ん坊くらいで、中盤以降は成長というよりただのお着換えに収まってしまったのが残念でした。せっかくシステムにストーリーが噛み合っているので、もうちょっと段階を踏んで育っていく感じが得られたら良かったなあと思います。

あと、成長段階が同じなのにボイスが極端に幼いものと大人びたものが混ざっているのもちぐはぐでした。子どもが舌足らずに鋭いことを言う、みたいなところは好きなんですけどね。

 

あとは『私を魔女に~』でも挙げたような、二度手間タップ・キャラが大きすぎてタップが広告アイテムやストーリーアイテムの取得の邪魔になる、などは改善されないままです。

一方で、成長のための必要数が(たぶん)減っていたり、コインやエモノがきちんと引継がれたりと、改善されているシステムも多かったので、今回はしっかりコンプまで楽しめました。

 

[総括]

ダーク寄りのハッピーエンドが好きな方や、色んな要素から物語の伏線を感じられるようなつくりが好きな方向け。

 

 

 

 

『本当は怖いお人形の話』(放置)

 

[概要]

同じく『私を魔女に~』『赤ずきん』と同じシステムの放置ゲーム。ただ今回は世界観が独立しているので、システム以外の繋がりは見られません。

 

[システム・難易度]

同上。今回は特に変化なし。

 

[好きなところ]

今回は成長によって得られるストーリーが一続きになっていて、誕生・出会い・現在、なイメージの三章構成になっていました。感情移入もしやすく、心情描写重視の人にはおススメしやすい感じ。

進化した際のコメントをボイスで読み上げてくれるのも前作からプラスされた点です。狂気と正気が行ったり来たりするのではなく、順序だててヤンデレていく展開だったので、演技も一貫してて素敵でした。

進化グラフィックもすごくかわいくって、まさにドールな姿で共通していたのも良点です。鳥籠とアリスとサーカスが好き! 髪色や瞳の色まで変わっていくのも、代替可能なお人形だからこそですよね。

 

[惜しかったところ]

お人形の心情描写が濃くなったぶん、想い人のご主人様の心情がエンドによってころころ変わってしまうように感じたのがマイナスです。特に3周目で解放されるエンドは、ハッピー感よりも急展開感が強くてもやもや。

その他不便な点については前作同様です。

 

[総括]

人形・一途ヤンデレ・廃墟っぽさが好きな方向け。

 

 

 

 

ヘンゼルとグレーテルとお菓子の家』(横スクロールアクション・放置)

 

[概要]

タイトル通りの童話をモチーフにしたほのぼのストーリーで、おきがえ要素と放置ゲー要素あり。

 

[システム・難易度]

アクションがめちゃくちゃ苦手な私だと、かんたん難易度でギリギリクリアできる感じです。判定もたぶんゆるめで、半身落ちたくらいなら復帰できました。

一応クリア50回の実績も解放できたので、アクションゲーの中ではクリアし易い部類なのだと思います。

また、置ける家具の効果やログボアイテムのおかげである程度ごり押ししてコンプまでたどり着けるのも有難いところです。

 

[好きなところ]

おきがえのバリエーションに不気味かわいいものが多くて、ほんのりポップグロなところがお気に入りです。ゾンビ兄妹はぱっと見でうわあって感じですし、影兄妹は何か深いストーリーを妄想できて楽しくて。お菓子な兄妹もかわいくて好き。

また、おきがえするとアクション中のグラフィックも変わります。妹が走らず空を飛んだり、腕振りモーションがなくなったりと、細かな違いがあるところも素敵でした。

 

家具の種類や模様変えも色々と可愛かったですねぇ。お腹すいてきそうなこの感じ。

壁紙や床まで変えられるのが嬉しかったです。せっかくならBGMも変えれたら良かったのになあ。

 

[合わなかったところ]

で、ポップに毒々しいスクショや、ダークメルヘンな雰囲気を感じてインストールしたんですが、ことストーリー面においては不満有りでした。

お話は味気ないお涙頂戴系、ところどころに雰囲気ブレイカーな流行りものメタギャグが入ってくる、全体的にお寒い感じ。エピローグで出てくるモンスターは世界観があまり感じられず言ってしまえばお子様向け。

アクションのステージやお着換えのバリエーションはけっこう不気味な雰囲気なだけに、なんでお話がこうもギャグほのぼの?という真逆な方向へ行ってしまったんだろうなあと不思議でなりません。

対象年齢がたぶんもっともっと低いゲームだったんだろうなあ。ターゲット層でない人間が手を出してしまったのかもしれません。

 

あと、諸々のクエストをコンプリートしたらずかんが埋まり完全クリア、となるのですが。ずかんが埋まってもあんまり目立った報酬はなく、衣装が一つ増えておしまい、という感じです。特に私はクリアまでけっこう時間をかけてしまったので、「これでおわり?」となんとも尻切れトンボな印象でした。

 

[総括]

アクション好きならやってもいいかも。

 

 

 

 まとめると、

ブラックジョークが輝く「闇の国のアリス〜アリスインダークサイド〜」

病みボイスが秀逸な「ヤンデレラ」

世界観や雰囲気が濃厚で魅力的な「笑わない少女と異形のサーカス」

 辺りが特にお気に入りでした!

 

 

 

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フリーゲーム「AIAIAIAI」感想

「一手間かければなおいっそう美味しく愛おしく」

そして時々このやろうな前置き。

 

えー、今回はKIJI-N-CHI(きじんち)(kiji)さんさんところのフリーゲームAIAIAIAI」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

選択肢を選ぶのではなく、タイピングで会話をしながら姿形の無いAIを育てていく、ノベルゲーです。ある意味でタイピングゲー? ウディタ製。

 

というわけで良かった点など。

 

ネットスラング万歳AI

 

やっぱり私はけっこうテンプレな人間なので、AIと聞いたらクールだったり知的だったりお堅かったりするイメージが強いんですよ。

いやあ、本作は脱帽でしたね! もとい脱力でしたね! 良いと思います!

こんなすちゃらかAIがどうなるのか、ということで先が気になるパワーもありましたし、導入の力強さがとても素敵です。後からネラー時代のAIをおちょくるのが大好きでした。

欲を言うなら何も変わらないAIルートも見たかったかなー、なんて。でもそしたらCATの末路が後味悪くなっちゃうか……。

 

 

AIと“会話”する

 

良いなあと思ったのが、選択肢で分岐するのではなく、その選択肢をタイピングするという発想です。

やってることは他の選択式ノベルゲームと同じなはずなのに、感情移入度が段違いなんですよ。会話が通じた、と錯覚することも多々ありました。

プレイヤーの動きに返してくれるという意味で、ここまで“ゲーム”の媒体を上手く活用した作品はなかなかないと思います。発想の勝利!

 

 

変わる背景と膨大な会話で魅せてくれる展開

 

言ってしまえば立ち絵無し顔グラなしのシンプルなタイピングゲーなんですが、視覚的な演出はなかなか工夫されていて、キャラの画像だけがゲームグラフィックの全てじゃないんだなあと気づかされました。

時折背景が変わることで、日常の中でいつもCATと話しているんだなということが自然と伝わってきますし。背景画像に重ねて浮き上がっている模様もオシャレ。

 

また、“会話”を売りにしているだけあって、会話パターンもかなりのもの。エンドが確定するとさらに特殊会話が増えるのも楽しかったです。クリア後はいくらでも会話し続けるモードもあったりして、その手の分岐が好きな方には垂涎ものの一作です。

 

 

難点

 

難点としてはやっぱり、手入力の文字の長さとレベルアップまでの時間の長さでしょうか。

タイピングして会話するというのを強く意識されているであろうことは、あとがきを拝見したら伝わる通りなのでそこは良しとして。

同じ会話が続くとだんだん「反応してもらえる楽しさ」よりも「作業ゲー感」が際立ってしまうんですよね。

たくさんの豆知識を披露してもらえるルートは会話がものすごく楽しくて、エンドを見た後もおまけモードでいくつか会話していたくらいなので、他ルートでも分岐が多かったら言うことなしだったかなあと。でも、分岐を求める=手間がかかりすぎる、というジレンマも察しはするので、うーんうーん。

成長前を1段階削るくらいでも良かったんじゃないかな、とは感じます。

 

 

とまあ、こんな感じで。

会話するからこその一手間はあるものの、どんどん変化していくCATの成長が楽しい作品でした。

追記ではネタバレ感想。

 

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フリーゲーム「闇色スターナイト」感想

「闇の中でこそ輝くスターの笑顔」

具体的に1999個な前置き。

 

えー、今回はとらねこさんの小屋さんところのフリーゲーム闇色スターナイト」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道の明るい短編RPGワーウルフの男の子を筆頭に、人外男4人でトップアイドルを目指していくお話です。

というわけで特徴など。

ミニイベントに関してはちょこちょこネタバレしていくので、ご了承ください。

 

 

持ち歌でレッツバトル!

アイドル業界に求められているのは、歌って踊れて、戦えるアイドル!

ということで一番好きなのは、BGMのチョイスと流すタイミングです。仲間が加入する時のイベント戦闘で専用BGMが流れて、その曲がそのままキャラの持ち歌としてライブシーンで使われるというこの演出。曲に愛着が湧きますし、戦闘も盛り上がりますし、とにかくすっごく楽しかったです!

戦闘もエンター押しっぱなしで早送りができるので、曲のテンポも合ってて良いんですよねぇ。まさにアイドル!なバトルでした。

 

 

昼は人間、夜は人外

で、アイドル要素を満たした次は人外要素。

昼は街でライブして、バトルが必要になったら夜まで寝てから魔物パワーの本領発揮。

それでね、嬉しいのはドット絵がきっちりフォームチェンジしてくれるところなんですよ!!

人外モードだとお耳が生えたり羽根が出たり、きっちり昼夜を使い分けて「人間じゃない」からこその工夫や見た目の違いを見せてくれるところが素敵でした。それぞれキャラの特性が違うのも、違う種族が寄り集まってる感じがして好きなんですよね~。

 

魔族と人との不和がメインストーリーのイベントに絡んできたり、戦闘中のカットインやスキル・ステータスに人外キャラらしい要素が出ていたり、求める人外シチュをガッツリ満たしてもらえました。

 

システム的な面だと、プレイヤー側で自由に昼夜の切り替えができるところが親切でした。あと、お話のボリュームに合わせて武器防具の概念が撤廃されている点もプレイしやすかったです。

 

 

スター度を集めてレベルをあげよう! 

レベル上げが雑魚敵狩りではなく、皆からの人気(スター度)で決まるシステムも斬新でした。口コミから徐々に人を増やして、時々ライブを開いて、地道なアイドル活動をとくと味わえます。

街中の人と話せば話すほどレベルが上がるということで、RPGの街中探索要素がしっかりとシステム面でのメリットにつながっているのもグッド。しかも、NPCの会話がストーリー進行やイベントによって細かく変わるので、話しかけるのも楽しかったです。

初期から応援してくれるNPCのセリフに励まされるのが嬉しかったですね~。

 

初めは街がかなり広めでちょっと歩き回るのが手間に感じてしまっていたんですが……これは軽率な発想でした。

コンテストが近づくにつれて通行人やお忍びキャラが増えていって、どんどん街も賑やかに。この盛り上がりを見越した広さだったんだなー、なんて。

 

なおこの作者様恒例、他作品からのゲストキャラも大勢NPCとして登場します。

シャルロッテ君やロビン君はそつなくこなせそうな気がしますね!

ディーは……がんばれ。いや何故頑張る前提なのかはさておくとして……?

 

 

皆にスポットを当ててハッピーエンドを目指すストーリー

アイドルメンバーの加入から始まり、それぞれメインとなるキャラの過去や背景事情を描いて、どのキャラもしっかり出番があるようにストーリーが構成されています。

それぞれに魅せ場や名台詞があるのって良いですよねぇ。

私はバルドが元々気になっていたんですが、例のコンテスト前のイベントでスピカまで巻き込まれないように率先して動いているシーンにうっかり惚れそうになりました。いやもう惚れたな。惚れました。推します。ファンサして♡のうちわ持っていこうと思います。

 

閑話休題

仲間が加入するごとにドラマが起こるのも、お話として先が気になる構成でした。

それに少し落ち込むことがあっても、前向きに笑顔で、最後はアイドルとして!

喧嘩してても仲が良い、5人のバランスの良さと元気と明るさを貰える、とってもまとまりの良いお話でした。

 

 

気になるところ

 

気になった点を上げるとしたら、

  • バトルの難易度が低めに設定されている(上限Lv10だが7で余裕勝利)
  • スター度をマックスまで上げてもエンドは変わらない

辺りでしょうか。頑張っても見返りがない、という意味では少しがっかり感がありましたね。

でも、あのエンドはプレイヤーの期待する面とリアリティを両方併せた落としどころとしてとても秀逸でした。バトルもある程度ゆるいほうが間口は広がるので、プレイ層を考えれば問題ないかなと思います。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

とにかく元気がもらえて、萌えて明るくて、まさにアイドル!な一作でした。

人型の人外萌えの方、元気いっぱいのストーリーが好きな方、システムとストーリーの噛み合いを重視している方におススメです。

 

 

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