うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「不死王の城」感想

「逃げることは許されても後退することは許されない」

人は過去には戻れない前置き。

 

 

えー、今回はABARAYA GAMESさんところのフリーゲーム不死王の城」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

サクサク死んでオートで進むダンジョン踏破ゲー。

一本道で、クリアまで手こずっても1時間強くらいかと。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

死者の山を築く試行錯誤ゲー

 

バトルはオート、スキルの使用も確率によるので、一度ダンジョンへ潜るとプレイヤーはひたすら見守るだけになります。

が、見守る――もっと言えば観察するのが肝です。どのスキルが有用か、ステータスはどう影響するのか、等々。必要十分のスキル説明文から戦略を練るのが楽しいです。

ポイントがあと一手足りず、できそうでできないコンボに悔しがることもしばしば。この辺りのポイントバランスはかなり絶妙だなあと感じました。

 

一度潜ってからの所要時間が短いので、とりあえずやってみて、プレイしていくうちにわかってくる、というようなプレイ感でした。死に覚えゲーならぬ死にわかりゲー。

 

 

シンプルでストレスフリーな操作感

 

操作はとにかくシンプル。

OP時の「スキル選択」と、「進む」「キャンセル」のみです。

とはいえ、やることは単純でも考える幅は広く、行動を縛られているからこそ面白いと言える作品でした。

また、オートバトルをさくっとスキップで早回しすることも可能です。ボス戦も早回しされてしまうところが気になりはしますが、ストーリー部分はバトルと別枠なのでお話重視の方もご安心。試行錯誤ゲーにおけるテンポもきっちり抑えてあって素敵でした。

さらに、クリアするとリザルトで戦歴が見れるので、こだわり派の方は最短プレイに燃えることもできます。

なお私はゆるゆるゲーマーなので数でゴリ押しました! 邪道かもですが多少の力業も許される戦略ゲーはありがたいです…。

 

 

ストイックな世界観と刺さる物語

 

画面に余計な装飾は一切なく、必要な情報のみを的確に拾えるようなグラフィックになっています。まさに見てわかるってやつですね。

そして硬派な雰囲気の通り、物語も短文ながらザクっと刺されるものになっています。いや、本当、シンプルなほうが効きますよねこういうのって……。

黒基調の画面構成が良世界観を生み出しているなあと感じました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

短編ながらも凝縮されている、完成度の高い一作でした。

試行錯誤、鬱展開、硬派、ダンジョンゲー等にピンとくる方へおススメです。

 

追記ではネタバレ込みの自分のプレイ記録など。

 

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フリーゲーム「シャドウバスターズ」感想

「気分次第で憎らしい」
親友にもイラつく時はある前置き。

 


えー、今回は4ゲット式カオスさんところのフリーゲームシャドウバスターズ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンド分岐ありのVIPRPG。
一応リンクは祭りサイトに繋げていますが、DLは掲示板のフルパッケージ版にパッチを当てていくほうが良いと思います。引継ぎの他、ボスのバランス調整や覚えるスキルにも変更がある模様。


ちなみに私は同作者様の別作品「剣の舞姫ウォーター」(以下舞姫)をきっかけにプレイを始めたので、この作品が感想の前提になっている部分も多々あります。既プレイの方はこちらも是非。

 

 


というわけで特徴など。

 

己の闇を爽やかに受け入れるストーリー

主人公であるダーエロがシャドウ、自分の影と対峙するところから物語が始まります。誰にも知られたくない本音、わかっていても抱いてしまう黒い感情、それらが剥き出しになるお話です。
ある意味こういうのも闇落ちって言っていいんでしょうかね? 自己の存在を問われる展開や、内部分裂のギスギス感とても好きなので、根本のテーマが肌に合うストーリーでした!
ギラギラした表情や、ぐるぐる葛藤する姿の美味しい一枚絵も必見です。


とはいえ闇の部分に触れはしても、展開としてはむしろ少年漫画的なガッツを感じます。闇と向き合った時の落としどころも無理やり感が無くて、日常的で良いなあと。気負わないところが魅力でした。

 

 

平行世界とゲストキャラ

実はこの作品をプレイする決め手が、別作品からの引継ぎ要素でした。
そうです、舞姫ウォーターです。クリアデータをフォルダに入れることでゲストキャラ引継ぎができます。嬉しすぎる謎の技術。


しかも、ただミニイベントが起こるのではなくて、話の根幹にかなり関わってくれます。会話や関連イベントもなかなかのもの。メタで終わらすのではなく、作品内できちんと理由付けがされているのはかなり好印象。舞姫もそうですが、もしもシリーズのお約束をお話に取り入れるやり方が上手いなあと思います。………もしもシリーズはまだそんなにプレイしてないんですけどもね!


あくまでゲストな扱いではあるので、もちろん単体でもがっつりプレイできます。実際私も1周目は純然と作品を楽しみたかったので、舞姫系の回収は2周目からでした。

 

 

 

生半可じゃ勝てないボスの数々

さて、ストーリー面のみでなくバトル面にも着目したいところ。
今作ではスキルを覚えるために魔物を倒して素材を集める必要があります。素材自体はぽこぽこ手に入るので、贔屓キャラを決めがちな私はさくさくでした。けれどもキャラを色々使い分けたい人にはちょっとストレスかも。
また、武器強化のためのドロップアイテムが非常にシビアで、2周しても武器改造は4枠分しか解放できませんでした……。お金がかなり余ったので、それこそ大金払って解決出来たらよかったのになあと思ったり。

 

で、武器やスキルが猛威を振るうのがボス戦です。

デフォ戦ならでは、状態異常と耐性とバフデバフ重視の頭使う殴り合いです。隠しボス、ラスボス、ラスボスを倒すためのボス、などなどバリエーションも豊富で、どこまでも高みを目指せる興奮がありました。手ごたえのあるバトルは大好きです!


MP管理のシビアさで難易度調整かけているのは舞姫から変わらず。ただ、今作は長編な分けっこうインフレを起こしていたので、MP80回復が店に常備されていて欲しかったのが正直なところです。かく言う私も隠しボスまでぶっ倒してはいるので、ギリギリクリアできる塩梅の調整なのかもしれませんが……!

 

仲間が複数人いるので仲間同士の相性を考えるのも楽しかったですし、某ダンジョンの二手に分かれる展開もお決まりながら燃えました。資金繰りが楽なので、仲間の手が届かないところはある程度アイテムで補えるのも嬉しかったです。

 

 

 

あると嬉しい、が実現しているシステム

ワールドマップで迷子になった時の帰還システム、ダンジョン最奥のワープ機能、どこでも仲間編成、敵のHPスカウター、仲間の好感度調整、おまけダンジョン、などなど。あると嬉しいシステムが随所に実装されていたのでさくさくプレイがはかどりました。RPGってこの辺りがあるのとないのとでプレイ感が段違いですよねぇ。

 

 

細かく変化するNPCと仲間の会話

舞姫のころと比べてワールドマップが広がりましたが、キャラの会話がストーリー進行度によって変わるところは健在です。NPCまで変わってくれると探索のしがいがありますし、中盤で解放される宝箱があるおかげで、一石二鳥なおいしさがあります。カップリング要素多めなのもグッド。


個人的にリリアのところには是非通って欲しいです……!

男女同室の兵士も案の定で笑いました。


事務所と船、2か所で会話が変わるのも細かくて嬉しかったです。こうやって会話イベントが豊富に設定されていると、好感度ごとのキャラエンドにも感情移入しやすい気がします。

 

 

ちょこっとえっちなイベント

あります。やったね。

 

 


とまあ、こんな感じで。
仄暗いテーマながらも、終盤が熱くてクリア後は爽やかな気持ちになれる一作でした。

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

 

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フリーゲーム「あなたと私のワールドエンド」感想

「恨み事は言わないし殴りもしないけれど」

見知らぬところで地獄に落ちてほしい前置き。

 

 

えー、今回は晴れ時々グラタンさんところのフリーゲームあなたと私のワールドエンド」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

分岐あり短編ノベル、仄暗い雰囲気がたまらない一作です。というわけでさっそく良かった点など。

 

 

冷めた心と終末世界

 

タイトルからして終末を感じさせるこの作品。DLページからわかる通りゾンビが徘徊するようになってしまった町が舞台となっています。とはいえいわゆるB級ホラーめいたパニックやバトル等の騒動はありません。どちらかというと、理不尽に対する困惑と諦めのほうが強いです。

主人公が戸惑いや怒りを感じるシーンも勿論ありはするのですが、それでもなお強く「冷めている」印象を受けるのは、虐められっ子という立場も含めやはり「どうにもならない」という部分が根底にあるからなのかなー、なんて。

 

倦んだ感じというのかな。「どうしてこんなことに!」と憤ることすら無意味とわかってしまって、そういった段階を通り越してもう立ち尽くすしかない……そんな雰囲気が大変好みでした。

 

 

 

ノイズと血糊の画面構成

 

文字も立ち絵も堪能できる二分割型の画面構成。お話の展開が良く生きる立ち絵の使い方をされていて、シンプルな短編だからこそ効く演出だなと思わされました。

どことなくノイズ交じりに見える画面も終わる世界が意識されてよいものです。クリア後の起動画面にはくすっときました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ゾンビ・ドライな憎愛・鬱展開等にピンとくる方へ、強く強くオススメの一作でした。

 

 

追記ではネタバレがっつりの感想など。

 

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フリーゲーム「雪葬」感想

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フリーゲーム「剣の舞姫ウォーター」感想

「精神がすり減っても身体は減らないんだからいいじゃないか!」

無神経に犯していく前置き。

 

 

えー、今回は4ゲット式カオスさんところのフリーゲーム剣の舞姫ウォーター」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

R18、エンド分岐あり、攻略対象3人の女主人公RPG。あちこちに濡れ場有りのがっつりえろげです。

VIPRPG、もしもシリーズの設定を引き継いでいる形。もしもという言葉でピンと来ないのであれば、軽く検索をかけて予習してからのほうが楽しめると思います。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

回避可能で地雷に優しいエロネタ

 

エロゲということでまあまずはここから。

最序盤の無理やり展開は致し方ないとして、そこ以降のエロ展開はプレイヤーが肯定的な選択肢を選ばない限りどれも回避してクリアすることができます。

 

某イベントでエロ拷問のやり方を聞かれた時はなんだか不覚にもほのぼのしてしまいました。痛いの嫌って言うと「この機械はシリコンだからね痛くないからね」って説明してくれる辺りも配慮があって癒されます。いやヒロインは癒されてる状況でもないんですけども。

プレイ内容を選り好みしつつも、ヒロイン自体はきっちり絶望してくれたり快楽堕ちしてくれたり、頭おかしくなる狭間でぐるぐる葛藤してくれたりするので、きちんと萌えどころも抑えてあります。

 

ざっくり羅列すると、SM・拘束・ピアス・無理やり・獣・電撃・えろ拷問・機械・輪姦・おふろえっち・おうちえっち辺り。特に拘束ネタ好きなのでバリエーションと反応が豊かで大変幸せでした。

 

 

 

性的暴行を乗り越えて手を繋ぐカップリング

 

さてこちらの作品、単純にヒロインがただ酷い目に合うだけのエロゲというわけではありません。

むしろ私がドハマりしたのはカップリング要素のほうでした。

トラウマ持ちの強気な女の子が折れる瞬間ってよくないですか……そこを支えたり抱きしめたりそれはそれで良いと認めてあげたりする青年ってよくないですか……? 良いです好きです……。

ブラインドが好きなんですよ! 敬語好き優男S好き目隠しメカクレ好きなんですよ!! ウォーターもほどよく強気で自立しててけどトラウマでグルングルンおかしくなりかけてる危うさがたまらなくて、本当、好き×好きは最強だなって思います…。

 

そんなわけで、無理やりシチュといちゃらぶシチュが同等くらいの割合で仕込まれてます。慰めっくすもしつつ下手に感動話とせずに、暴行自体も過去確かに起こったこととして直視しているので、おいしく萌えられました。

 

 

 

魔法具現化設定を根幹に絡めたストーリー

 

また、恋愛や濡れ場だけでなく根幹のストーリー部分もきっちり組んであるのも良点です。えろを求めてきたはずが、熱い復讐話に居住まいを正すこともしばしば。鬱展開好きにはじっとりと響くシーンもあります!

初めはトラウマ持ち少女が過去と悪を殴り倒すやけくそストーリーだと思っていたんですが、よくよく話を読むとウォーター個人から世界構造へ広がっていってるのも興味深いところです。

この辺具体的にはネタバレなので追記にて。

 

 

 

細かな会話分岐とイベント分岐

 

えろRPGなので服が脱げます。これはまあよくある機能としても、嬉しいのが脱ぐ部位を選べれるところでした! 装飾はつけてるのに布は無い、大事なとこだけ隠してないタイプの脱ぎっぷり好きなんですよ……。

 

で、さらに言うと脱ぎ具合によってかなり細かく会話が分岐します。物語の進行度によっても会話が変わります。NPCがじんわり仲を深めたり、ドン引きだった仲間キャラの反応がまんざらでもなくなったり、裸にオプションが増えたりします。

この細やかさと言ったらもうたまりませんね!!

 

えろイベントだけでなく、純粋にストーリーとしての会話分岐も多いです。町中の人と話すのが楽しいこと楽しいこと、探索もはかどるおかげでアイテムも手に入れられて一石二鳥でした。

テキスト部分のみでなく、ドット絵が変わったり進行度によってメニュー画面の説明文が変わったりするのも細やか。

ブラインドの「違うと言えば嘘になる」がめちゃくちゃ好きです。青少年!

 

 

 

状態異常がかなり重要なデフォ戦

 

さて、RPGといえばターン制バトル。この作品の面白いところはバトルもかーなーり熱くて手ごわいところです。

耐性や状態異常、バフデバフを考慮しないと下手すれば雑魚敵でも死にます。仲間が1人しか連れ歩けないことや、MP回復アイテムの調達が序盤かなり困難なのも難易度に拍車をかけている印象です。

しかしながら、決して理不尽な制限ではなく、勝とうと思えばきちんと勝てます。対策手段もあちこちにありますし、取り逃し防止用なのか強いアイテムが2か所においてあるところもあります。

なので、ある程度RPG慣れした人はこのギリギリの死闘を楽しめるのではないかと!

一応、戦闘強制スキップキーもあるので強制的になんとかすることも可能ではあります。でも自力で勝ったほうが達成感と満足度は高いです。へっへっへ。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

エロありバトルありスチルあり、RPGに求めるものとエロゲに求めるもの両方を全力で満たされた一作でした!

引継ぎ機能とどこでもセーブ機能があるので、さくさく進めたい方も、やり込みたい方にもおススメです。

 

追記からは語り切れなかったネタバレ部分など。

 

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フリーゲーム「トロピック」感想

「気ままに今を生きればいいじゃない」

溜まっていく汚れは見ないふりな前置き。

 

 

えー、今回はSUGAR STAR さんところのフリーゲームトロピック」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンドはあるものの、やろうと思えば永遠に遊び続けられる南国系作業ゲー。システムや敵キャラなど諸々が某クラフトゲーです。

 

ざっくり大味のゲームシステム・萌え系のキャラグラ・言動の若干の黒さ等々、同作者様の過去フリゲ作品の流れとは変わらずで安心しました。

 

というわけでさっそく、良かった点など。

 

 

男女平等にむちむち系のグラフィック

 

起動画面からしてわかるとおり、キャラはかなりむちむち系の成人向け寄りです。また、実績開放によるコスチュームチェンジも有り。数は少ないですが、男性キャラもおまけ的にチェンジができるので、女性陣も必見です。

 

前々からこの作者様のフリゲはよく遊んでいたのですが、成人向けを扱うようになってからガラッと絵柄が変わりましたよねぇ。

個人的には『人口女神』頃の塩梅がちょうどいいなあと思ったりするのですが……需要もあるでしょうし、こればかりは好みの問題ってやつですね。

通常服の女の子らしい“かわいい”センスは健在でにやにやしました。

 

 

 

難易度低めの気楽な南国ライフ

 

HPSPや魔物など、ある程度のゲームオーバー要素も用意されてはいますが、難易度はかなり優しめでした。死んでもアイテムは集め直せれますし、チェストに預けておけば死んでも安心。何よりどこでもセーブが可能なので、やり直しも楽々です。レベルアップもさくさくなので、詰むこともかなり少ないかと。

 

一応、“汚れ”というバッドステータスもありはしますが、5日目までは男性キャラがHPSPをノーリスクで全回復してくれるので、ほとんど意味は成しません。あえて言うなら立ち絵が変わるくらいかな。

回復する必要性を感じず主人公は常に汚れっぱなしの泣き顔になっていたので、汚れるスピードはもうちょい緩くても良かったかも。

 

ある意味、使わないステータスや不要なアイテムが多いという評価もできはします。

限られたリソースをどう使うかという戦略ゲーをしたいのなら向いてはいないかも。逆に、時間制限や厄介な設定無しでのんびり長くプレイしたい方にはぴったりだと思います。

ちょっとしたコツがメニューTIPSに載っているのも親切でした。

 

 

 

意外とやること盛沢山の採集メイン

 

採集アイテムの復活がわりと早く、常に動き回っていました。彼女もさぞ健脚になったことでしょう。

島を一周する→作るアイテムを考える→採集アイテムが復活する→島を一周する――みたいなちょうどよいリズムができていたので、作業ゲーとわかっているのにやめられませんでしたw どことなくどう森プレイ時の忙しさに似ている気がします。

 

ネタ元と思われるマインクラフトはどこでも自由にブロックを置いてクラフトする要素が強めだと思うんですが、この作品はそういう創作要素が少ない代わりに実績を開放したりお風呂に入ったりとシミュレーションな要素で補っているように思います。

 

じわじわとできることが増えていく楽しさ、大事ですよね。

採集ポイントが少なく希少なアイテムも有りますが、こちらは他の手段でも入手できるのでバランスは良かったです。村人殺しにデメリットがほぼ無い、ひそやかなインモラルさも黒くて好き。

 

 

 

シンプルなマップとストーリー

 

調べるポイントもわかりやすく、最終目的も明確に一つだけ、マップも迷子の心配無しの短編らしいコンパクトさ。

 

ストーリー要素はほぼなく、せいぜい男性キャラの反応がちょこちょこ変わるくらいです。心行くまでのんびりしてね、という雰囲気に合う感じ。

ですが、なんとなく冷や汗が出るあの「おしまい?」と言い、照れ混じりにこちらをそっと突き放すメタな最終実績といい、ほんの数テキストでも好みでした。

 

自由度が高すぎると何をすればわからなくなって困ってしまうタイプのプレイヤーなので、このくらいの箱庭感が私には合うんだろうなー、あんて。

 

 

 

惜しかった点

 

難点は操作がちょっと煩雑だったことでしょうか。装備・素材制作・アイテム持ち替えの3種類か、アクション・会話アクションは統合して欲しかったかなあと思います。

といってもゲーム内で2日ほど過ごせば慣れるので、あくまでもう少しを言うならというくらいです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ギャルゲーちっくなゲームが好きな方、のんびりやりこみや作業ゲーが好きな方向けの一作です。

追記ではちょっとだけ詰まったところを軽く。

 

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フリーゲーム「クミとクマ」感想

「プレゼントを頂くのは恐縮なので悪い子になります」

良い子は気遣い屋さんな前置き。

 

 

えー、今回はタンクタウンさんところのフリーゲームクミとクマ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンドは一つ、サブイベント多数のほのぼの異世界転移RPG

基本システムはデフォルトですが、かなり丁寧なチュートリアルや公式サポート掲示板があるため、RPGが初めてな人にも安心して勧められます。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

王道と絡め手が上手く生きるストーリー

 

少女がファンタジー世界に飛ばされてしまい、魔王を倒す勇者として旅に出る。おおまかなあらすじはこうなるのですが、この作品の面白いところは、随所で王道な展開に捻った要素が加わるところです。

魔王を倒しに向かうのは、選ばれし少女若く熱意に溢れる騎士そしてクマのぬいぐるみ。そう、クマのぬいぐるみです。関西弁です。これでファンタジーの世界観を保てているのがまた素晴らしい。

 

他にも衝撃的な再会のドシリアスなシーンで突如迷言が飛び出してきたり、闇の商人が芸人もびっくりなアイテムを持ちだしてきたりと、こちらの予想をズラしてくるのが絶妙に上手です。

それでいて、泣かされるところは泣かされちゃうんだから、上手いですよねぇ。

 

 

 

日常の描写と細かな動きの丁寧さ

 

外に出る時は靴を履く、三人家族だとホールケーキは余る、お裁縫には道具が必要、雪が降るならフードを被って、空を飛んだら髪が揺れる。

そういった“当たり前”の描写をとても大切にされている作品でした。

 

この作品は街中にかなりの数のアイテムが隠されているんですが、アイテムよりも上記のような、自然だけどどこかくすっとくる会話を見たいがために探索していたところもあった気がします。

ドットの動きや会話分岐が細かいんですよねぇ。

仲間が増えたり減ったり操作キャラが交代したりした時には、ついつい本筋を脇に置いてあちこち練り歩いてしまいました。意外なところで反応してくれたりして、凝ってて素敵です。

 

異世界にぽんと飛ばされてもどこかあったかい感じがするのは、こういった細やかなところで共感を抱けるからかもしれません。

 

 

 

寝て起きた時のワクワク感

 

クリスマスまでにラスボスを倒す、というのがひとまずの目標になります。とはいえ多少のんびり進んでも余裕のある設定にはなっているようで、延長もできるらしいのでご安心。

それで、良いなあとまず思ったのがカレンダー!

一家に一つは過言としても、一つの街に一つは必ずあるんですよね。我が家にはなぜか四つありますが。ともあれこういうさりげないところに日常的なものがあると、なんだか身近でいいよなーと思います。

 

また、驚いたのがロード時に今日は何日か教えてくれること。

喋るキャラもランダムですし、経過日数によってセリフも変わるというこれまた丁寧な会話分岐が設定されています。惚れるしかない。

今日はどんな日にしようかな、みたいな休日のわくわく感がよみがえってくるようでした。

 

余談ですが、夏休みに起きた時がすごく楽しみだったのを思い出します。早く起きたらゲームができるし遅く起きてもいっぱい寝られて幸せ。良い時代だったなあ。

 

 

 

コミカルな会話で気絶も目覚めるバトル

 

そして、RPGということでバトルにも注目。

ボスは基本固めで回復量が多く、長期戦が前提です。きっちり街を歩き回っているなら勝機はありますが、レベリングも探索も苦手……となると少々難易度は高いかも、なんて。

けれども救済措置として面白いのが戦闘不能になると次ターンで復活させてもらえるシステムです。クマからのツッコミ、クミの応援、ウェハースの喝入れ等々、どれも個性的でキャラ同士の関係性がわかるのも面白いところ。ランダムで復活する時としない時があるのも、ほどよいハラハラ感を味わえます。

 

気絶復活もそうなんですが、バトル中にとにかくキャラが喋りまくってくれるんですよねぇ。ボスによって会話も変わるという、本当に掛け合いの楽しい作品です。

 

 

 

 惜しい点・合わなかった点

 

一方、気になったのは、

 

  • 終盤までの移動手段の無さ
  • 一度入ると強制的に日数経過する展開
  • 時期限定のサブイベント

 

辺りでしょうか。

移動のテンポについては言わずもがな、かなり前の作品なので仕方がないとは思うのですが全体的に動きはちょっともっさりしてます。吹き出し表示のウェイトが長めだったり。でもここは腰を据えてプレイできるということで。

あと日数やサブイベは、やっぱり一度警告や日数経過を察せれるちょっとした会話があると良かったなあと思います。基本的に取り逃してもカバーは効くようにアイテム数は調整されているようですし、日数にも基本余裕はあるのですが……やっぱりあると気になってしまうもので。

 

とはいえプレイに支障のない範囲ですので、アイテム集め等気にならない人は全然だいじょーぶ。周回プレイをして回収する手もありますしね!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

これぞ王道、これぞほのぼの、まさに子どものための素敵な世界観でした。

公式サイトには攻略ヒントや掲示板もあるので、困ったときには是非。

 

大人も子供も楽しめる、少女の成長を見守りたいor一緒に成長したい人向けです。

追記ではネタバレ感想。

 

 

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フリーゲーム「歪者行進曲」感想

「屋根上の覗けば猫がいる」

廃墟な家屋は誰もいない前置き。

 

 

えー、今回はンギョッポラーヌさんところのフリーゲーム歪者行進曲 Distortioners and Distortioned」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

プレイしたのはver.2.30。

ウディタ製の短編RPGハクスラ?です。

短編とは書きましたが、中身はかなり濃密。数日間は楽しさとゾクゾク感を引きずりました。過去の傷が疼く世界観、熱く絶妙な戦闘、容赦のないストーリー展開などが見どころ。

というわけでさっそく語っていきますね。

 

 

 

知力と見極めで屠り進むボス戦ラッシュ

 

このゲームの見どころの一つがまさにここ、ボス戦ラッシュです!

といっても連戦というわけではないのでご安心。雑魚戦を快適にスキップし、うろついて装備を集め、ところどころにちらばる中ボスをいかに殴り倒して進んでいくかというのが主な流れになります。

 

回復も防御も戦略のうちの一つということで、戦闘中の行動全てにリスクとリターンがかなり精緻に設定されているところに燃えました。先制攻撃もできるのがまた熱いところ。

 

事前にだいたいの敵の情報が明かされているのも特徴的。下手にステータスを隠したり初見殺しをしたりするのではなく、戦略を立てるための情報が手元にそろう状態が確立されているのがありがたかったです。

これぞ戦略ゲー、頭を使うターン制バトル……!

手に汗握るギリギリの戦いが多くてぞくぞくしました。

 

 

 

圧倒的中二病力の溢れるネーミングセンス

 

中二病というと悪い意味で使われることが多いのでなかなか誤解を生みそうなんですが、ことこの作品の中二っぷりはめちゃくちゃカッコイイんです!!

ゲームのDLページにはスクショがつきものですが、そこに書かれているテキストに見惚れてDL決めました。

あふれる単語にビリビリ疼くものを感じたのもこれらのネーミングセンスがあったからこそ。装備品一式を集めるのが実に楽しかったです。使用時に叫びたくなる技名も多くて、一人でめっちゃ盛り上がりました!

説明書きも機密文書から謎言語、死亡人数等々、妄想を掻き立てられるものが多いです。

 

 

 

暗黒の中で突き進み続けるストーリー

 

まず私は、シリーズ物は完結してから一気にプレイしたい派です。なので紹介ページの「お話としては謎も残る」という文言に躊躇っていたんですが……こらえきれず手を出しました。

だってもうスクショからして好きだもん!w

実際プレイしたところ、気になるところがあるにしても本筋はきっちりと一区切りついており、お話としても盛り上がり有り鬱有りの実に好みな展開でした。手を出して良かった!

キャラに対して容赦なく悲劇が襲い掛かってくるのも素晴らしいですよね。復讐話は手心を加えてはいけない……。

 

魔術師にまつわる設定等もかなり心がざわざわするものです。あちこちで出会える鬱展開にぞくぞくしました。そもそも初めの白痴なドラヴォロワさんに胸きゅんしてましたしね……。冒頭の、悪夢からは逃げられない~的なテキストでもう心わしづかみでした。無口なレヌンヴェイドとの関係性も良い。そして何よりアリスティアが推しです。

終わり方も一時の休息という感じで、救済ではなくあくまでまだ先に続く暗闇を匂わしているのが好みでした。続編へのつなぎもばっちり。次作がめちゃくちゃ楽しみです。

 

 

 

テクスチャの美しい背景とセリフ枠

 

また、上記の中二要素を立派な世界観として確立しているのがグラフィック面です。

マップの作りがすごく綺麗なんですよね。進行不可の場所にもオブジェクトがあって、近寄ると鳥が羽ばたいたり光が煌いたり。楽園のような神聖さ、吹きだめのような淀み、不規則で不安定な異空間などなど。どの雰囲気も濃密でうろつくのも楽しかったです。

セリフ枠がキャラによって違うのも凝ってるしわかりやすくてグッド。

立ち絵や顔グラなどわかりやすい形のものはありませんが、マップチップや背景の組み合わせ方はとても凝っていて、まさに随一の出来でした。細やかな部分までしっかり印象づく画面構成だと思います。

 

 

 

収集具合が一目でわかるシステム

 

痒い所に手が届くシステム面にも注目したいところ。

取り逃した宝箱や世界観の片鱗を覗けるテキスト類は、実績の形で見返すことができます。私はレコード系をしっかり集めきりたいタイプなので、とってもありがたいシステム! 他にもボス前ワープやチュートリアルの読み返し機能などもいざ困ったときに助かりました。

 

そして一番、一番嬉しかったのは、全滅してもリスクが一切無いところ!

プレイヤーを虐めるのではなく、真摯な態度で純然とハクスラを仕掛けてくれているんだなあという心遣いを感じます。これはスキルの付け替えがノーリスクでいつでもできるところも併せて挙げたいところですね。

 

また、長めのストーリーイベントの後にはセーブポイントに行く余裕を設けてくれているのも行き届いているなあと思わされました。

まとめると、めっちゃプレイが快適!これに尽きます。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

いやあ、繰り返しになりますが、本当戦闘が楽しいゲームでした。戦略がプレイヤーによってバッキリ分かれるでしょうし、それだけの幅を持たせてなお破綻しないバランスが驚異的過ぎます。

 

中二病大好きな方、ターン制バトルに燃える方、戦略を立ててボスをぶちのめす快感が好きな方に是非ともオススメ。

 

 

追記ではボスの倒し方的な意味でのネタバレ注意。

 

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